仙酔島に別れを告げて…
鞆の船着き場に向かいます。
名所 対潮楼。有料なので足が向きません…
名所 常夜灯は後回しにして、最も行きたい場所へ…
鞆港を江戸時代より守り続けてきた大堤防へ。
瀬戸内最大の干満差対策で階段状にした荷積み降ろしのための石組み雁木。
花崗岩を噛み合わせて積む技術は高砂市の発明実践家 工楽松右衛門の卓越したもので、江戸時代 福山藩主から招聘された老松衛門人生最後の大工事の要となりました。
大堤防根元に建てられた漁民の倉庫。既に持ち主が分からないのか、景観地区の違法占拠だと期限付けで行政撤去をするとのお役所警告文が貼ってありました。
その上の蔦まみれのカフェに入ってモーニングしたかったのですが、本日は貸し切り準備で入れませんでした…仙酔島パワースポットでパワーをつけてきたはずなのですが!また来てね、という意味かもしれません…
鞆の浦の朝夕の交通渋滞を解消するために、この堤防より内側にバイパスを通すという計画がありましたが、鞆住民を二分する賛否の末、その計画は撤回、その後、世界遺産登録と落ち着きました。
わざと湾曲させて波の力を受け流し削ぐという構造が流美なデザインとなっています。
堤防付け根奥の小高い場所の旧い民家は、宮崎駿監督が長期滞在して「崖の上のポニョ」の構想を練った場所です。
ジブリの社員旅行で訪れた鞆の浦をいたく気に入った監督は、この個人宅を長期契約で借り、作品構想に疲れると鞆の街をブラブラしてインスピレーションを得たそうです。
個人宅は私有地なので立入厳禁…多分、一目見ようと聖地マニアが集まったのでしょう。
加古川 高砂河口の堤防とそっくり…というか、高砂での効果を汲まれてはるばる鞆の浦に工楽松右衛門が造ったのでした。コンクリートで補強されながらも鞆港を守り続けて遺されているのが、全くの関係者ではありませんがウレシイです。