離脱症状については、これからも考え続けていかなければならない問題であると思っています。
向精神薬を飲んでいるときに出る副作用もさることながら、飲むのをやめたときに出る離脱症状は、医師でさえ正しく理解している人は少なく、患者の辛い症状をさらに辛いものにしています。そして、離脱症状に苦しむ人たちは、行き場を失い、その辛さを一人でじっと耐えるしかないという、なんとも理不尽な現実があります。
すこーしずつにしろ、世の中に、向精神薬の危険性が知れ渡り、精神科医も薬の副作用については敏感に反応するようになってきつつある今(と期待も込めて書いていますが)、そうなると今度は、一気に薬を切ってしまう医師が出てきます。
飲んで副作用がでたのだから、それなら飲まなければいいと、何とも単純な発想です。
しかし、離脱症状は命にかかわる問題です。にもかかわらず、薬を処方する医師のなんという認識の低さでしょう。
多剤大量処方の問題の次には、かならず離脱の問題が出てきます。
ちょっとしたことから精神科の門をたたき、元の症状の改善どころか、薬による副作用で心身の状態は悪化していき、それをまた症状の悪化ととらえられて薬がどんどん増えていく。
その悪循環にようやく気付き、精神科と縁を切ろうとしても、すっかり薬物依存の体にさせられて、薬を切ろうにもなかなか切れない。
元々の病気で苦しみ、薬の副作用で苦しみ、そして離脱でさらに苦しんで――どこにピークがあるかは人それぞれでしょうが、長い精神科の治療過程において、離脱の苦しみはその後半戦というわけです。そしてもしかしたら、その後半戦がもっとも辛いものかもしれません。そのときに医師はなんの力ももっていない……。
以前の記事(ベンゾジアゼピン離脱症状 http://ameblo.jp/momo-kako/entry-10817465683.html )に寄せられたコメントの中で、bellaさんも書いています。
今更になって向精神薬の離脱症状を認めない医師は、「海外の文献さえも読んでいない。というか読めない」と認めているのと同じことである。全くの勉強不足と言っても過言ではないだろう。そもそも、医療とは何なのか。他人の痛みを理解できない人間が関わるべき分野ではない。
このエントリにはその他貴重なコメントが多数寄せられました。ここで改めて、取り上げさせていただくことにします。
st.Michaelさん
私も、抗不安薬を離脱して一年です。とにかく蚊飛症が、ひどくて視界が汚いです。もう一生、治らないと思うと絶望的な気持ちです。
このような危険な薬が、内科、整形外科でも簡単に処方されている現実に いかりさえおぼえます。
通院日・・・・小さな子供さんも通っているのを見てると、心が辛すぎて苦しくなりますね。まだ幼い子供に、ADHDだからと簡単に薬を投薬されている現状も・・・・日々、小さな爆弾が 医師によって投下されているようです。
どんこさん
薬を飲む前に戻りたい
今何とかPCに書き込みができそうなので、力を振り絞り書きます。
ここにも書かれているように本当にベンゾは悪魔のような薬です。
そしてベンゾを飲む前に、元に戻すための治療方法がない。人生を破壊するような薬を出しておいて元に戻せない。
私、何度も断薬に挑戦したが、何日も地獄のような苦しみのなかで、何日待っても一睡もできず、それによってまた体もぼろぼろになり、さまざまな2次、3次障害が出て、それを抑えるためにまた服薬を繰り返す。
そうすると更に耐性のつくスピードも量も増えていく。ついにはどれも効かなくなり、あとは命に関わるというバルビも登場。それもすぐ規定量では効かなくなり、断薬以外に選択肢がなくなりました。
何日も、一睡も眠れないとさまざまな障害が出ます。
発狂は当然もちろんのこと、ひどい頭痛、あちこち全身痛み、口や粘膜はぼろぼろ、あちこちしびれたり、心臓は痛み、食事もろくにとれなかったり、排泄いろいろおかしくなってきます。ほんとうにつらい。
まるで薬を飲む前の悩みなどあまりに天国の微々たる悩みにしか思えません。
この地獄の離脱症状と後遺症に、いつまで悩まされるのか、あまりに苦しいため、またベンゾを服用すると、そのときだけでまたすぐに地獄はやってきます。
こんな恐ろしい薬を規制するのはもちろんですが、重要なのはただちに世界の研究者が総力をあげてほしい。特にベンゾをばらまき、患者が群を抜いて多い日本では動き出せる研究者などいないでしょう。
とにかくベンゾでやられた神経や脳を元に戻す方法を是非開発してほしい。特にベンゾが作用するといわれGABA系を元に戻す方法を開発してほしい。今四六時中苦しんで、ベンゾの副作用や離脱症状と闘っている私を含め多くのひとのためにも。
まいこさん
私も新聞見ました。(注・読売新聞に掲載された質問――抗不安薬「リーゼ」やめられない)。
田島治教授は、どの程度離脱に理解があるのでしょうか? 少しは離脱に理解があるようですが、私も最後の文章がとてもひっかかりました。やっぱり長期離脱症状を認めず、最後は精神疾患にもっていくのでしょうか・・・
そして、減薬の仕方は海外に比べると大雑把ですよね。アシュトンマニュアルだと1/10カットから始まりますし、私も色々なつてを使って離脱に理解のある機関を探しましたが、今の日本では無理なようです。
アンチ精神科・精神薬を掲げるクリニックでも、長期離脱症状はあり得ないと公言していました。向精神薬の依存治療を掲げる所でも、後遺症レベルの症状に対して、治療薬として抗不安薬が必要なのでは? という意味不明の回答を得ました。
なので、海外にいくか、アシュトンマニュアル等に従って自分で調整していくしかないと思いました。離脱に理解がある所でも何年も続く症状に対してはデータがなく対応できないと考えます。
私が疑問なのは、医師や役人でもこういった症状に悩まされている人がいるのではないか、なぜ出てこないのか? なぜアシュトンマニュアルの日本語訳がないのか?等です。
何かカラクリがあるのでしょうか・・・
信じない医師には、ぜひ飲んで体験して欲しいです。アシュトン教授によると、高齢の方が比較的簡単に離脱できるみたいなので、おじさんおじいちゃん先生には効かないかもしれないですね・・・・・
リーゼ(チエノジアゼピン系)でも離脱症状が起きるのですね。徐々にセディールのような非ベンゾジアゼピン系の抗不安薬に変えた方がいいですね。
問題はソラナックス(コンスタン)をやめる方法。他の抗不安剤に比べて難しいです。超長期型の抗不安剤に置換する方法が良いとされていますが、問題は超長期型の抗不安剤をやめる時です。
リボトリール(日本では抗てんかん剤として使われている)を使ってソラナックスをやめる方法が紹介されていますが、問題はリボトリールをやめる時です。ソラナックスより遙かにやめるのが難しいです。リボトリールもベンゾジアゼピン系の薬です。
離脱症状については、あまり研究されている人はいませんね。以前の主治医はいきなりソラナックスを中止して、私は強烈な不安感に襲われ、慌てて病院に行ったことがありました。
どうすればいいのか?
たしかにどんこさんが書かれているように、「神経や脳を元に戻す方法を開発してほしい」と私も思います。
脳を壊す薬はたくさんあります。
そして、結局、今の医学では壊すだけです。
さらに、医学的には、長い期間、離脱症状で苦しむ患者は存在しないことになっています。
あるいは、離脱症状を抑えるためには、まいこさんが書かれているように、医学は結局、また薬を飲むしか方法をもっていません。
依存に理解のある病院に入っても、依存していた薬を切ることはできても、別の薬に依存が置き換えられただけ、ということもあります。
飲んでしまった薬を体からきれいさっぱり吐き出すためには、時間と苦しみに耐える精神力と、もしかしたらお金も必要かもしれません。
離脱症状で苦しいとき、気が狂ってしまうのではないか、自分はどうにかなってしまうのではないかと恐れるとき、頻尿、しびれ、アカシジア、何とも表現しようのない過酷な状態に陥ったとき、食事が取れないときなど、せめてそうした患者の辛さを緩和するためのサポートに徹する、そういう発想の施設は不可能でしょうか。
アシュトンマニュアルを実践する医師がいないのはどうしてなのでしょう? 薬が減って困るのは、製薬会社と病院だからでしょうか?
私の知人に離脱症状で死にそうになった人がいます。男性の一人暮らしですから食事もままならず、日に日に体力が落ちていきました。
死にそうになっても、それでも頼れる医療機関はどこにもないのです。
精神科になど行ってしまったら、せっかく減薬してきた努力は水の泡。またしても薬漬けにされるのが落ちです。身体症状が出て、専門の科を受診しようとしても、精神科受診歴があるということで、精神科へ戻されてしまいます。
結局、その方はある病院に入院しましたが……私が抱いていたような治療経過とは、残念ながら違うようです。
それについては、後ほど報告できると思います。
どうすればいいのか? 答えは、わかりません。
離脱症状について、どんなことでも結構です。
ご意見、あるいは体験談をお寄せください。