アレルギー検査の意義 | ももせ皮膚科のよもやま

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昨日、某テレビ局のカズレーザーさんがMCをしている番組でアトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー特集が放映されていました。この手の番組の後に受診される方が増えるので、一応見るようにしています。

番組内で39項目のアレルゲンに対してIgE抗体の有無を、数人の芸能人に採血をして調べておりました。そしてその結果で一喜一憂、テレビ番組なので反応も大袈裟。不安をあおるような表現をされると、現場としてはほんと困るんです。

 

アレルギー検査の意義を知って頂きたいのですが、ある項目が陽性でも症状が出ない場合があるし、陰性でも症状が出る場合があります。つまり、現状の検査では”参考値”程度のものなのです。

 

食物への抗体が陽性でも、実際食べて問題ないものは今まで通り食べられます。不安で完全除去してしまうと、子供の場合は成長障害、栄養障害をおこすことがあります。

 

また子供の場合、アナフィラキシーを起こす食べ物は避けますが、湿疹を起こすものでも軽度であれば皮膚の治療をしながら食べます。

 

なので、採血によるアレルギー検査はやみくもにしても全く意味はありません。全く症状がなくてただ知りたいというだけの検査はお勧めしません。

 

情報が氾濫するこの時代で、何が正しくて、何がウソなのか、その判断は個人に委ねられます。勉強することはとても良いことなので、どうか正しい知識をもって判断して頂きたいと思います。