医師として診察の中で最も大切にしていることは”正確に診断すること”です。診断が定まればおのずと治療が決まってきます。その”正確な診断”がとても難しい。テストのように採点されることがないので正解かどうかも分かりません。
かろうじて答えが分かるのは、患者さんが通院して下さり治るまでの経過がたどれた時です。再診に来られない場合は、治っているのか、逆で治らずに他の病院に転院されたかどちらかです。
医者としてのやりがいに”病気が治って患者さんに喜ばれると嬉しい”と耳にします。しかし皮膚科あるあるなのか、治ったご報告に来て頂けることはわずかです。治ってるのか治ってないのか分からないことがほとんどで、不安の方が大きいのが現実です。
ネットで見つけた記事です。
東大病理学の教授の最後の講義で、
「私の教授在任中の誤診率は14.2%である」と発表したことが社会全般にも一般の医師の方々にも大きな波紋となって広がった。ある雑誌の表現によると「われわれ患者はその率の高いのに驚いたが、一般の医師はその低いのに感嘆した」
との一文があります。
誤診率14.2%は驚異だと私も思います。
自分の誤診率を正確に計算することはできませんが、ざっくり体感的には20%から30%あるのではないかと思います。
たこだと思っていたらウイルス性のイボだったり、かぶれだと思っていたらカンジダ症だったり、乾燥肌だと思っていたら疥癬だったり、ニキビだと思っていたら帯状疱疹だったりと、誤診した経験は山ほどあります。ヤブ医者と言われても返す言葉はありません。その通りです。
そんなヤブ医者にお付き合い頂けるのなら、悪化した時や治らない時は一度の診察で諦めずに再度お越し頂き、私にリベンジする機会を下さい!