困ることもあるけれど、やっぱり湿潤治療でしょ!① | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

■てしまクリニック 診療時間変更のおしらせ
2018年4月1日より 金曜日午後は手術・自費の施術のみの完全予約制になります。
保険・自費の一般診察は行っておりませんのでご注意ください。
※やけど、けがなど緊急を要する場合は、まずクリニック受付にお電話ください。

 

 

こんにちは。

 

もものマークのクリニック 院長てしまですもも

 

 

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湿潤治療の「困るぜ!」ネタが豊富過ぎて

手元のカードを切りまくっていたここ数週

 

まるで

 

湿潤治療嫌いなの?ねえホントはどうなの??

 

と思われても仕方のないような状況の当ブログですが

 

そんなことは全くございません。

 

 

今日は久々に

 

「やっぱりいいよね!湿潤治療。」

 

と全力で実感した患者さんのご報告。

 

 

患者さんは73歳の男性。

 

3月半ばにスキー場で転倒し

両前腕を盛大にすりむいたそうです。

 

長袖スキーウエアを着ての受傷ですから

傷の汚染はそこまでなかったとのこと。

 

帰宅されてから近所の皮膚科を受診し

消毒+軟膏+ガーゼの

THE 旧式な創傷治療をうけ

「自宅では濡らさないように気を付けて

また金曜日に受診してください。」

と指示されたとのこと。

 

が、しかし、その金曜日に

 

「いやー、今日外出したら、ちょっとそこに受診する時間無くなっちゃって。

出先に近かったこっちに来さしてもらいました。

どうもすみませんねー。」

 

と、うちのクリニックを受診されました。
 
要するに
湿潤治療を希望とか、そういう予備知識ゼロです。
 
で問題の受傷部位。
 
ガーゼが最下層から最上層まで
これでもかというくらい乾燥し
ガッツリくっついて
一向に剥がれやせん。
 
仕方ないので水をバシャバシャかけて
シートを巻いて
カピカピのガーゼを湿らすこと15分。
 
そののち、看護師が少しずつガーゼを剥がしにかかりました。
さらに10分ほど経ったころでしょうか
 
「先生、最後の1枚がどうしてもはがれません......」
 
というSOSが。
 
患者さんは
 
「いやー、なんだかお時間取らせてすみませんねえ。すっごいくっついちゃってるねえ。」
 
申し訳なさそうな中にも他人事のような軽いテイスト。
ご自身の状況を、客観的に観察するそのスタンスに感動すら覚えました。
 
で、問題の最後の一枚ですがこれはもう
私が責任持ってべりッと剥がしました。
 
剥がれたところから血がたらーり。
 
それを見てまた
 
「あららららら、血が出ちゃったねえ。」
 
とこれまた客観的。

この方なら、湿潤治療のシの字も知らなくても
説明すればすんなりわかってくださるに違いない

と直感的に判断し、すかさず言いました。
 
そうなんです。
乾いたガーゼを剥がすとこんな風に血が出て
せっかくの治りかけの皮膚の細胞も持っていかれちゃいます。
なので、今日からは乾かさず
傷にもくっつかないもので覆って治しましょう。
痛みもずっと軽くて済みますよ。
 
 
「へえー、聞いたことないけど、そんな方法があるんですねえ。
痛くないのは嬉しいですねえ。」
 
患者さんの反応も上々。

問診票に目を走らせると
ご自宅はなかなかの遠方。
 
はるばる通院してもらうことに若干の申し訳なさはありつつも
あえて強めに言わせていただきました。
 
はい。
○○さんのようなケガにこそ
この治療方法がおススメです。
 

そしてわたくし、この治療法については

とっても得意でございます!

 

 

いや、ふだんここまで言わないんですけども(笑)

 

なんせガーゼがはがれたときの患者さんの腕が

 

ずる向け&一部乾燥して皮膚壊死&ドレナージ不良で感染

 

という三重苦だったもんで。

 

 

 

これを湿潤治療で治さないという

選択肢があろうか

いやない

 

みたいな。使命感にかられてしまった次第。

 

 

ただ、患者さんもそんな私の大風呂敷で

 

「へえええ!そんなに上手に治療してもらえる病院に

偶然来たなんて、私はラッキーですねえ!!!」

(いや、こんなケガしてる時点でラッキーじゃないと思う←心の声)


なんておっしゃるから

 

余計に頑張ろうという気持ちになるわけです。当然です。

 

はい、私、医者としてベストを尽くします!

だから患者さんも一緒に頑張りましょう!!

 

 

「ところで先生」

 

はいはいなんでしょう?

 

「わたし、来週末、山に登れますかね?」

 

 

……はい????

 

ちなみにその時の患者さんの腕

 

これですからね

(※苦手な方は閲覧禁)

 

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これは……アメブロに削除される気がするぜ


つづく