保険・自費の一般診察は行っておりませんのでご注意ください。
※やけど、けがなど緊急を要する場合は、まずクリニック受付にお電話ください。
こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
昨日の記事の続きです。
73歳男性患者さん。
右腕は肘に長さ10センチほど
左腕は肘の上下に渡り長さ30センチほど
深くいっちゃってるすり傷です。
皮下脂肪は見えていないので
おそらく真皮浅層〜深層レベルで盛大にダメージを受けた状態。
やけどで言えば「第2度熱傷」という深さですね。
この深さのキズに
従来の乾燥させる保護方法や
消毒薬や組織障害性の強い外用剤などを使用すると
せっかく残った真皮の組織も死んで
さらに深い傷になってしまうこともあるので要注意なのです。
また
乾燥した皮膚やガビガビにくっついたガーゼは
傷に「蓋」をした状態になるので
浸出液が滞留して細菌感染を引き起こす原因にもなります。
初診時のこの患者さんもそんな状態。
(※写真は閲覧注意。キズの画像など苦手な方はご遠慮ください。)
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よく見ると傷の周りが赤く腫れています。
で、こんな状態にもかかわらず
「来週末(=当院初診から10日後くらい)山に登りたいんですよねえ」
とおっしゃる。
山(スキー場)でケガしたのに
まだ山に行きたいんかい。
と心の中で盛大に突っ込む一方
それだけ健康状態の良い方で
ちゃんと治療もできれば
何とかなるかもなあ
と、これまでの経験から何となくゴーサインだせそうな予測を立てた私。
ぜったい大丈夫、とはまだ言えませんが
順調なら行けるかもしれません。山。
ってうか、来週末登山できるようになるのを目標に
一緒に治療頑張りましょう。
「はい!ぜひ!!」
ああなんて素敵なコミュニケーション
「ところで先生」
はい、なんですか?
「今晩、私のために集まってくださる飲み会がありまして」
..........
「お酒.....ダメですかね???」
ダメデス。
左腕は感染していて抗生剤を内服する必要がありますし
何より今は傷を治すために体が頑張っている最中です。
アルコールの代謝という余計な負担をかけるのは
全く持って得策ではありません。
○○さんのために集まってくれる人たちなら
ケガのせいで今は禁酒中だということを伝えれば
きっと理解してくださるはずです。
乾杯の時は形だけグラスを持って
飲むのはノンアルコールで我慢してください。
患者さんは、はあああああああ、と残念そうにため息をついてからおっしゃいました。
「わかりました。」
よかった、わかってくださいましたか。
「乾杯の一杯だけにしておきます。」
一杯は飲んでいいっていつ誰が言った(爆)
まあ、そんな、コントのようなやり取りを経て
患者さんは次の日と、週末はさんだ3日後と、6日後にも受診されたのですが
治療内容をしっかり理解してくださり
通院だけでなく自宅での処置も頑張ってくださいました。
しかも、1人暮らしなのに!
そのかいあって、見てくださいこの成果!!
初診時
3日後
6日後
確認してみたら
大好きなお酒も我慢されて治療に臨まれたそうです(笑)
天は自ら助くる者を助く。
素晴らしいですね。
私の予想以上の回復っぷりです。
「そうですか!登山のために頑張りましたよ私は!!」
うんうん。よかったよかった。
よかった........けど、あれ?
ひょっとして登山て
「ええ!泊りです。テント泊。」
ガチなやつやったーーーーー
(T▽T;)
ってなわけでこの患者さん
週末の登山には
もしもの時のプラスモイスト持参で
お出かけされるそうです。
幸運を祈ります。
週明けどうなってるかなーーーー(;^_^A