こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
前回の予告通り、当院でしみの治療を受けた患者さんの経過を紹介いたします。
患者さんはチャーミングな40代女性
お顔のしみを何とかしたい、というご希望で、美容相談を受けに来てくださいました。
左右の頬に明るい茶色のしみがパラパラ。左頬に1か所大きめのがありますね。
これは、皮膚の浅い層にメラニン色素のあるしみ
日光性色素斑
と診断しました
日光性色素斑は、Qスイッチルビーレーザーの照射1回でほぼKO可能なしみです。
しかし、明るい茶色のしみの他
左右の頬外側、いちばん頬骨が出っ張っているあたりに、少しグレーがかった茶色のしみが寄り集まったように認められます。
これは
ADM(遅発性太田母斑)
という、皮膚のやや深い層にメラニン色素のあるタイプと診断しました
患者さんにもよりますが、ADMの場合、間を空けて最低でも2、3回のQスイッチルビーレーザーが必要となることが多いです。
さらにさらに両頬にもやーんと
なんとも言えないくすみ感があるのがお分かりでしょうか?
私はこのくすみを
肝斑
と診断しました
肝斑治療の基本は
こすらないスキンケアと飲み薬。
実は、肝斑の患者さんで困ることのひとつが
Qスイッチレーザーの後の色素沈着が強く出やすいこと
うかつにビシバシレーザーを当てると大変なことになります
さて、この患者さんの治療、私はどうしたかと申しますと
まずは左頬の大きめの日光性色素斑にのみ
Qスイッチルビーレーザーを当てました。
同時に、肝斑の内服治療とスキンケアも開始。
たぶん、レーザー後の色素沈着はそれなりに出るでしょうが、その経過を見てから他のしみをどうするか相談しましょう。
と、ご本人にはお話しして納得して頂きました。
案の定、レーザー後の色素沈着はそれなりに出たものの、3ヶ月半続けた内服とスキンケアの効果があってか、施術から半年後には色素沈着も綺麗に消えていました
ヨシ!この肌ならば、ガッツリ強い出力でレーザーを当てても大丈夫な可能性が高い!と踏んだ私
次に控える本丸、ADMに攻め込むことに致しました。
ADMはメラニン色素が深いところに存在するため、かなりの高出力でレーザーを当てる必要があります。
麻酔のテープも使い、痛みを軽減させて臨みました。
まずはADMのより濃かった右頬に高出力のレーザーを1回照射。
大きなトラブルが無いことを確認し、4ヶ月後に両頬のADMにレーザーを照射。
両頬照射時
それから10か月後の現在こんな感じ
「すごく綺麗になりました!お化粧が薄くても、しみが気にならなくなって、快適です」
治療開始前
治療開始から1年8か月
明らかにくすみも改善して
お顔全体のトーンが明るくなっています。
何より患者さんの明るい笑顔が
治療への満足感を表してくれていました
複数のしみが混在するタイプでは、順を追って、その患者さんの肌質を治療の中で把握しながら、時にはアグレッシブに、時には敢えて手を加えずに、緩急つけて治療するのがいいんじゃ無いかなー、と思っています。
焦りは禁物でございますぞ。