こんにちは。
もものマークのクリニック 院長てしまです
にきびは青春のシンボル
なんてキャッチフレーズが、昔あったなと思い出す、昭和48年生まれの私。
今も言うのかしらん？
皮膚科のギョーカイでは、昨年にきびの新薬が2種類も出て
保険でもかなりイイ線までいけるんじゃね！？
と、なかなかホットな治療対象疾患なのです。
にきびって、下は小学校高学年くらいから出始めるので
お母さんと一緒に受診する患者さんも多いです。
それこそ大学生くらいでも親子同伴珍しくない。
それで時々気になる場面がある。
とにかく母ちゃんがよう喋る
その横で
本人仏頂面
でもって、母ちゃんのコメントが
うちの子、なんかもうこんなに汚い顔になっちゃって
昔はツルツル
でとっても綺麗だったんですよ
でとっても綺麗だったんですよ…………あのさあ
想像してみて下さいよ。
もしあなたのお子さんが
他人に向かってこんなコメントしたらどう思います？
うちのお母さん、こんなにシミとシワだらけになっちゃって
昔は肌にハリも透明感もあって、今よりだいぶ若くて綺麗だったんですよ
どうよ？
傷つくでしょ
親子だって、言っちゃあいけないことはあると思うぞ。
で、私はそんな時どうするかと申しますと
本人に向かって聞く。
にきび、気になる？
ここで
うん、すごく気になる。
と返してくる子は少なくて
一番多いのは
……まあ、ちょっとは（←目そらし気味）
そうすると大抵横から母ちゃんが
ちょっとどころの状態じゃないでしょっ！
だの
ちゃんと気になるって言いなさい！！
だのと
口を挟んでいらっしゃいますが
今、お子さんと話してるんで
「入ってくるんじゃねえ
」オーラを出しながらシャットアウトさせて頂いております、私。
」オーラを出しながらシャットアウトさせて頂いております、私。そっか、ちょっとは気になるんだね。
良くなるものなら、良くしたい？
ここで、本人が頷けば、次のように続けます。
よかった。あなたにやる気があるなら、きっと良くなる。
だってねえ、にきび治療ってめんどくさいの。
薬は塗らなきゃならないし
1回で治る訳じゃなくて、再発防止のためのケアは続けなくちゃいけない
生活の改善だって大事
それをするのは、あなた自身だから
自分が治したいって思わなきゃ無理。
でも、頑張っただけの効果は、きっと出ると思う。
今は、良い薬も増えているから。
ちょっと、やってみる？
相手の顔をしっかり見ながら、話します。
それは
私はあなたに、話しているんだよ
というメッセージです。
いっぽう、
気になる？
の質問に
ぜんぜん
と返された時にはどうするか。
私、たいてい笑う。つくり笑いじゃなくて、本心から。
そっか、ぜんぜん気にならないのに、大事な時間を使って受診してくれたんだ。
お母さんが気にするから、仕方なく来たんだ。
優しい子だね、あなた。
その優しさが暖かくて、笑顔にならずにいられない。
でも、せっかく病院に来たんだから、これだけは覚えて帰ってよ。
ひとつ、ゴシゴシ洗わない！
ふたつ、夜更かしは控えめに！
みっつ、お菓子とファーストフードも控えめに！
最後に、よっつ、治したいと思ったらまたおいで。待ってるよ。
以上！！
お母さん、横からメチャメチャ喋りたい雰囲気醸し出してること多いですけどね。
中学生にもなると
治療の主体は本人だと思うのですよ。
だから、本人にその気が無ければ、治療効果は上がらない。
お母さんがいくらやいのやいの言っても、処方した薬がムダになるだけです。
（そしてその薬代、東京だと15歳未満の分は世間の皆さんのお金が投入されている。もったいない。）
だから私は、本人の本気を見たいのです。
いやー、親の反感は、買ってるかもしれないねえ（笑）
そんな医者でも良ければ、ちょっと受診してみて下さいな
皮膚科専門医では無いけれど、にきび治療には真摯に対応してますよ～
息子の弁当用に買った焼のり。これでまだまだ喜ぶ彼ら。可愛い。
いつからにきびを気にするようになるのかなー（笑）