傷跡をめぐるあれこれ〜その2 形成外科医の立場から | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
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前回に続く傷跡ネタ。

形成外科医は、結構アッサリ
「傷跡は残ります」
とのたまいます。
それを聞いた患者さんは大ショック…ってな話を前回書いたわけですが、

このような溝が出来る大きな理由のひとつに
「傷跡」
という言葉に対する
大多数の一般の人々と形成外科医との認識の違い
があります。

形成外科医にとってみれば、擦り傷ややけどなどの外傷による、ほんのちょっとの皮膚のテクスチャーの変化や
うっすら残る髪の毛ほどの跡だって、カテゴリー的には立派な「傷跡」なのですね。

要するに、もとの傷の無い状態を100点とすると、残った傷跡が50点だろうが70点だろうが95点だろうが、形成外科医は「傷跡あるよね」と思うわけです。そこに患者さんを脅かそうという意図は、ほとんど無い(はず)。

まあ、この点数を出来るだけ100点に近付けるべく頑張るところに、他の外科とは一味違うぜ!と言いたい職人的プライドがあったりもするのですが、それはまた別の機会に。

ところが、一般の人々にとって95点の傷跡は、頭の中にある「傷跡」の範疇には入っていません。ひょっとすると、人によっては70点でも入らないかも。
だから、「傷跡は残ります」と言われるともれなく50点以下、赤点間違いなしの状態を想像してガックリくるのですね。

このギャップを埋めるためには、どうしたら良いのか。

私は、仕事上たくさんの傷を見て、患者さんに比べたら知識も経験も豊富な医師の方が歩み寄って、経過の見通しみたいなものを提示すれば良いんじゃないの?と単純に思いますが、これまたなかなか難しいんですよね~、実は。

なんでかって?

それは…次回に続く。
あ、続きます、まだ(^^;;