腫れたおできの処置今昔〜今編〜 | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

前回 の続きです。

おできの切開排膿(皮膚を切ってたまった膿を出すこと)をした後の処置方法。

6年目の赴任先で教わったのは、ガーゼを詰め込むのではなく、細いシリコンチューブを差し込むやり方でした。

このシリコンチューブ、名前は「ペンローズドレーン」と言います。
それまでも、腫瘍の切除などの手術ではごくごく一般的に使っていた医療材料です。
極細のストローが集まったような形状をしているので、毛細管現象で浸出液を吸い上げる作用があります。
素材もシリコンなので、当然乾いて傷にくっつくようなこともありません。
患者さんの反応を見ても、処置の時の痛みは、それまでのガーゼドレーンと比べて格段に軽い様子でした。

この方法を教わった時には
「なんで今まで思いつかなかったんだ~~~
と、自己嫌悪に陥りましたよ…
アタマ使えよ自分ガーン、て感じでした。

現在、うちのクリニックでおできの切開をした時も、このシリコンチューブくんは現役で活躍していますドキドキ
ポケットが大きいときが彼の主な出番。

ただ、少し素材に張りがあるため小さく切開した傷では角が当たって痛いことがあるのが玉にキズあせる
そしてうちの様な開業医では、どちらかと言うと小さい傷の患者さんが多いのも事実。

ではどうしているのか?と申しますと。
ナイロン糸が大活躍しています音譜

この方法は、湿潤治療と言えばこのサイト。当ブログでもおなじみ、夏井先生の『新しい創傷治療』内のこちらのページ で学びました。

ナイロン糸はしなやかなので、体の動きにもなじみますし、傷に当たっても痛みが少ないのがスバラシイアップ

今は、シリコンチューブとナイロン糸、それぞれの特徴を踏まえて、より痛みが少なくスムーズに治る方法を、患者さんの傷に合わせて選択していますニコニコ

そうそう忘れるところだったビックリマーク
ドレーンからでてくる汁を何に吸収させるかも、何気に大事なポイントひらめき電球

昔ながらの乾いたガーゼでは、せっかく選んだドレーンも効果半減汗
やっぱり傷口が乾燥しない素材を選びたいものです。

とは言え、いくら湿潤治療という呼び名でも、傷の周りが過剰にビショビショでは健康な皮膚がふやけ過ぎてトラブルの元叫び

傷口から出てきた汁を、過不足なく吸収してくれる素材を上手に選ぶのが、腕の見せ所と申せましょう得意げ

当院では
↓こんなのや
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どちらもいい仕事してくれる頼れるヤツですチョキ

と、言う訳で
2回に渡りました『腫れたおできの処置今昔』これにて終了ビックリマーク