腫れたおできの処置今昔〜昔編〜 | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

まだバリバリ寒いですよねガーン
なのに、このところ多いのが「おできが腫れちゃいました」と受診する患者さん。

その多くは『炎症性アテローム』とか『感染性粉瘤』などという病名で呼ばれる状態で、もともとできていたおでき(アテローム・粉瘤)に細菌が感染したものです。

このような感染性の病気は夏場に多い印象なので、こんな寒い時期に立て続くと「なんで?」と不思議に感じるのです。

大きな病院だと、この様な患者さんはだいたい形成外科に送られることになります。
形成外科が無ければ、皮膚科。
どちらも無ければ、外科かな?

私は専門が形成外科なので、研修医の頃からたくさんの「腫れて痛くなったおでき」とお付き合いしてきましたキスマーク

一口に「腫れて痛い」と言っても段階は様々なのですが、ここでは「受診した時点で明らかに膿がたまっちゃってる」という残念な場合について取り上げます。

このようなケースでは、とにかくたまった膿を外に出してやらねばなりません。
一部薄くなった皮膚が破れて、既に膿が出た状態の患者さんもいますが、それでは出口が小さく、炎症も収まりにくいことも多いのです。

仕方ないので、注射で局所麻酔をして、皮膚を切開し、中にたまった膿やおできの残骸を掃除します。
出来るだけ綺麗に取り除いた方が、その後の治りが良いのですが、私はこの時にかなり痛がらせてしまうことも多くて申し訳ないですあせる

ここまでの処置は、研修医の時に習った方法と同じ。
湿潤治療を知った前後で異なるのは、この後。

以前のやり方では、お掃除後にできたポケット状の空間に、細長いガーゼを詰め詰めしていました。
通称『コメガーゼドレーン』と言い、中にたまってくる膿や血液などの汁物を外に吸い出してくれる役目をする、と、習いました。上にはガーゼを当てて、終了です。

でも、翌日受診した患者さんのガーゼを取ると、ガビガビに乾いていることがほとんど。詰め詰めしたガーゼも乾燥し、抜く時にはたいてい「痛っビックリマークショック!」と言われていました。

特に疑問だったのが、詰め詰めしたガーゼがガッチリ乾燥して蓋のようになり、抜いたら中からは再度たまった膿が…という光景を目にした時。
「これ…全然吸い出してなくないはてなマーク
と、直観的に感じました。
なかなか治らないし、処置する自分もしんどいなあと正直思っていました。

でも、同じことの繰り返し。

その方法しか知らないから
先輩に教わったやり方だから
別に、これでも治るから

それだけの理由です。
ダメなヤツですね、ホント
しんどいのは自分じゃなくて、付き合わされる患者さんなのにダウン

処置の仕方が激変したのは、医者6年目ドンッ
本格的に湿潤治療をしている上司の下で働き始めてから。
まさに、目からウロコでした目

長くなったので、その方法については次回ビックリマーク