やけど編①の記事を書いたのは、昨年9月。
どんだけ前よ、という感じですが。
まあ、あまり細かいことは気にせず
今回は、やけどの湿潤治療の、実践編です。
やけどの経過で、患者さんが困ることの一つに
「水ぶくれ」
があります。
インターネットで調べてみても
「やけどの水ぶくれは、つぶしてはいけない」
と、書いてあったり
「やけどの水ぶくれは、つぶさないといけない」
と、書いてあったり。
だから、どっちなんだと
正直なところ、医者の間でも、やけどの水ぶくれの取り扱いについては様々のようです。
で、困った時には毎度おなじみ、湿潤治療の巨匠 夏井睦先生のHPからのひとこと。
「水疱は直径2センチより大きかったら全て潰し,水疱膜は可及的に切除する。残した水疱膜の下の水疱液が細菌の培地となり,創感染を起こすことが多いからだ。」
おお~う、なんだか怖そうな字面ですが、
書かれていることは極めて明快。
私もこの方針に賛成です。
でも、もう少しだけ一般のお母さん向けに噛み砕いて説明してみましょうか。
まず、直径1センチ以下で、それほどぷっくりしていない、薄くて小さな水ぶくれのとき。
これは、うまくするとそのまま吸収されるかもしれません。
ワセリン+ラップで保護でもいいのですが、
どうせ範囲が小さいのなら、キズパワーパッドなどのハイドロコロイド剤を
やけどの範囲より一回り大きく貼り、
特に痛みやかゆみなどの異常がなければそのまま放置。
で、5日目くらいにこわごわハイドロコロイドを剥がしてみると・・・
水ぶくれはしぼんでいるはず。
ハイドロコロイドをはがした拍子に、水ぶくれの皮もくっついて持っていかれてしまうかもしれませんが、
よく見ると、うす~い皮膚も張っているのでは?
試しに水などかけてみて、全然しみないようなら、やけどの傷はふさがっています。
良かったですね。
もし、一部ひりひりするようなら、軽く洗ってもう一度ハイドロコロイドを貼りましょう。
様子を見ながら、ハイドロコロイドの交換を繰り返しているうちに、
たいてい傷はふさがります。
ただし
途中で痛みやかゆみなど、不快な症状が出現して
「コレって大丈夫なの」
と、不安を抱いた時には、たとえスタートが小さいやけどであっても
やはり湿潤治療をしている医師に、一度相談してください。
その理由は・・・やけど編③
に続きます。