『十二国記』30周年記念ガイドブック
講談社編
ファンタジーといえば、これに優るものはない!
個人的に大絶賛しているシリーズ『十二国記』
18年ぶりに出版されたシリーズ新作長編に沸いた2019年。
その後、2022年に30周年記念に出版されたガイドブックです。
十二国記の作品紹介、登場人物紹介、用語解説、年表などを始め、作者インタビューに留まらず、萩尾望都さんや辻村深月さん、冲方丁さんなど有名な作家さんたちの十二国記への思い溢れるエッセイも載ってる満足度の高い本です。
ファンタジーといえば、エルフやドラゴン、魔法など西洋よりの作品が多いイメージですが、こちらは崑崙や蓬莱と、封神演義を思わせる中華風です。
そして、ラノベとは言い難い、とても重量感のあるファンタジーです。
物語の細部まで緻密に考えられていて、建物の名前から地名や単位、人間の生まれ方まで全てが完全にオリジナルで、構想の深さに感嘆します。
この物語の中では、主人公から村人まで、登場人物全てが作り物じゃなく、間違いなく生きているんだと読者は感じてしまいます。
作中の人物を通して、生き方や政治や貧困など、様々なことを考えさせてくれる物語です。
ただ、大好きな作品なのに、なかなか友人知人に勧められないのには理由が…
漢字が多い。
なんなら難読漢字が多い。
徹底した世界観のため、カタカナが全くでてきません。
でも読書好きはいずれは出会ってしまう作品だと信じてます。