浜松子ども劇場高学年部例会 俳優館 『~一人語り&ソング&バイオリン演奏による はだしのゲン』 | もんぶらんのひとりごとぷらす

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ぷらす、子育てサークルとして活動してきた子ども劇場、子どもは、大きくなりましたが、まだまだ楽しませてもらっています。例会のことも書いていこうと思います。




2021年3/20(土)浜松子ども劇場高学年例会、総合劇集団俳優館『~一人語り&ソング&バイオリン演奏による~はだしのゲン』が、あいホール1階ホールに於いて上演されました。
コロナ感染状況によっては、延期も考えられる中での例会でした。昨年度のこの時期(3月、4月)の例会は全て延期しましたので、大変心配でしたが、コロナ感染防止対策を会場も各自もして無事開催となりました。
普段、平土間での公演が多いのですが、今回は、ホールのステージを出しての公演となりました。ステージがあることで、客席も離すことができ、後ろの方でもステージを見渡せる感じでありました。ステージ上には、バイオリン演奏者のTERRAさんが奥に、透ける暗幕を挟んで前側に、一人語りをされる森つとむさんがいらっしゃいました。幕を挟むことで後ろにいらっしゃるTERRAさんがとても神秘的に私の目にはうつりました。

子どもの頃、確かに学校の図書室で、読んだはずの『はだしのゲン』。内容は第二次世界大戦の、広島の原爆の話。劇画的なタッチで、絵がグロテスクに感じたのか話の内容が怖かったのかとにかく怖いと感じた漫画だった印象しかないのですが、その後、どこかでアニメーション化されたものを見たのでしょうか、記憶の隅に何か残っていたようで、私の頭の中には、『一人語りはだしのゲン』は、アニメーションで再生されていきました。
近年、テレビで見たアニメーションの「この世界の片隅に」と多少、情景が重なりながらではありましたが……

広島の原爆ドームを見学したのは、7年前と、随分、大人(親)になってからですが、路面電車が走り、活気に満ちた市内から7駅ほどだったか路面電車で行った所にその公園はあり、資料館での展示物は、戦争を知らない私にとっては、生々しいものでありました。
戦争という愚かな人間の行為で、町を村を、生活を破壊された人々、また、人も自然も全て破壊し、子孫をも病気にしてしまう原爆の恐ろしさ。
三女が生まれたその日も、東海村JCO臨界事故の当日であり、報道でそのニュースばかりやっていたのを思い出しました。そして、10年前の東日本大震災における福島での原発事故にも思いを馳せました。

『はだしのゲン』は、ゲンの原爆体験が描かれています。「ピカ」によって一瞬にして、何もかもが変わってしまいます。壊れた家、火の手が上がる家にお父さん、お姉さん、弟を置いてに逃げなければならない辛さ、バケツに亡くなった3人の頭蓋骨を入れて、歩くシーンなどが印象に残りました。お母さんの友だちの家に一縷の希望をもって行く所や妹のために、乞食同然の姿であちこち走り回り、食料を恵んでもらい、せっかくいただいた米を子どもたちに囲まれて盗られてしまう…
戦後の混乱や復興は、テレビドラマでしか知りませんが、広島の原爆後の混乱は、私のイメージする想像を遥かに越えたものだったに違いありません。

森つとむさんの語りにグイグイ引き込まれていきました。森さんの歌もミュージカルのようで素敵でした。
そして、バイオリン演奏が素晴らしく、特に「ピカ」のシーンでは、迫力を感じました。効果音的な演奏方法もあり、セリフを邪魔せず、語りとは重なり、作品に厚みを感じられました。

余談ですが、平成25年に亡くなった義父は、少年兵として志願し、船に乗っていたそうで硫黄島で終戦を迎えたと聞きました。現在91歳の義母は、浜松大空襲を体験し、一面焼け野原になった事を話してくれました。浜松大空襲で生き残った3本のプラタナスの木の話は有名です。