ご訪問ありがとうございます。こちらのシリーズは三人兄弟のうち、2018年に生まれた次男ちゅけぷんの闘病録です。妊娠期には生存不能と言われているポッター症候群と診断され、奇跡的に生まれてくることができました。現在CAKUT(小児先天性腎低形成異形成)温存期の4歳です。

 

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とにかく生きて生まれたから、あちこち色々問題があっても手術ができる!治療ができる!治るんだ!と浮かれていたマム夫妻に腎臓科の医師から腎臓は治ることのない不可逆性臓器だ、と告げられます。

 

 

 

前回のお話はこちら

 

 

 

 

昨日お腹切って産んだばっかりなのに上がったり下がったりジェットコースターのような1日です。

 

 

 

 

 

腎臓科の医師の説明によると、

一定間隔で自力で排尿があるので、尿経路に問題はなさそう。腎臓の機能評価は血液中のクレアチニンという値とe-GFR値と、そのほかのミネラルバランスの状況を観察して決めるとのこと。生後1〜2日では機能評価しきれないし、術後は体全体に炎症が起きるので、この値がぐちゃぐちゃになってしまい、やはりすぐには機能評価できない、ということでした。

 

 

 

 

 

当面は全身状況の観察と、毎日の血液検査で即透析が必要な値かどうかをチェックしつつ、術後体の状態が安定してから持って生まれた腎機能の評価の検査になります、と説明されました。

 

 

 

 

 

 

 

「先生の見通しとしてはどうなんでしょうか...すぐに腎移植...という可能性がありますか?」

 

 

 

 

 

「まず、お父さんやお母さんの腎臓を片方もらうとしても、大体身長90cm程度、体重13キロくらいはないと、大人の腎臓が体におさまらないんです。移植という話になったとしても、2歳くらいまでは腹膜透析で頑張って体を大きくする、ということになると思います。

 

 

腎臓って、大人にとってはおしっこを作る臓器なんですが、子供にとっては、もう一つとても重要な役割があって、成長を促す様々なホルモンを司っているんですね。多分次男くんの場合、この先ホルモンが出ることはないと思いますので、大人になるまでの間、節目節目にホルモン治療が必要になってくると思います。やはり人工的に注入するホルモンなので、どうしても低身長低体重は否めない、というところはあります。」

 

 

 

 

 

とにかく生きて生まれた、ラッキーや!!!と浮かれていたところに冷や水を浴びせられたような状況でした。

 

 

 

 

 

 

 

夫くんはどうかわかりませんが、ずっと障害者の妹だった私にとっては、ああ、障害をもつとはこういうことだ、私は障害者の母になったのだ、という実感がじわっと滲み出た瞬間でした。障害とは生涯癒えることのない障(さわり)なのです。一生治ることはない、という事実を受け入れることが、障害と共に生きる、ということなのです。

 

 

 

 

 

 

先生方が退出された後に、私たちがしたことは治らない腎臓について悲嘆に暮れることではなく、子供の名前を決めること、でした。

 

 

 

 

 

 

手術の時に「かいマムさんベビー」ではなくて自分の名前で受けて欲しかったのです。

人生で初めての生きるための試練を、自分の名を持って臨んで欲しかった。

 

 

 

 

 

生まれる前から音はもう決まっていたのですが、漢字を決定しかねていました。ちゅけぷんの名前には「すけ」と読む字が入っていて、これを漢数字の「2」にすることに決めました。2という字には、一度決めたことを二度と覆さない、という意味合いがあるそうなのです。




もんのすごい頑固者になりそうだけれど(実際なりつつある....不安)、何度も何度も生きて生まれられない、とか腎臓はない、いややっぱりあった、とか妊娠中そういう危機的な状況でヒラヒラと「生」が危うかったので、一度生まれたからには生きることは覆らない、生き抜いて欲しいという思いでこの字を選びました。

 

 

 

 

 

 

この名付けが、手術前に、私たち親が、子どもにしてあげられる唯一の言祝ぎだったのです。

 

 

 

 

 

 

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