自分の部屋でシロウは窮地に立たされていた。

「シロウ、何か隠して無い?」
「な、なにって?」
「あんな傳抜けた顔を晒しておいて何も無いなんて言わせない。」
「たしかにぃ、ここ数日間?言動がオカシイよなぁ?」

シロウの右隣には目じりをキッと上げたユウコ、
左隣には意地汚く品なくわらうケンイチが。
二人とも彼の表情を一片も逃すまいと観察していた。
「えっ、いや。そのぉ、」
「どうなの?」
「やっぱり夢についてのお悩みかいぃ?」
「・・・えっとぉ、」
「ハッキリしなさい!」
「は、はいっ!そのとおりです。」

結局はユウコの迫力に押し負けて自白してしまった。
昨日までの夢を語ったあとにシロウを待っていたのはユウコの溜息とケンイチの笑いだった。

「くっくくくくぅ、まさか本当に呪われてるたぁなぁ?クワバラクワバラっと」
「アンタねぇ、そういう事は早めに言いなさいよ。」
「申し訳ないです。」

ただ頭を下げるしかないシロウだったが何も相談すれば解決する問題でも無いことに気付いていない。

「でも、本当に変ね?」
「あぁぁ、つぅかよぉ。その先、シロウの坊ちゃんは覚えているのかぁ?」
「それが、」
「それがぁ?」
「何よ?」
「その先を覚えていないんだ。」
「ん?」

シロウが夢で見る記憶は毎回、そこで打ち切られていた。
思い出そうとしても思い出せずにいた。
そして夢でその後の記憶を思い返させられていた。

「金髪美女ねぇ、男のロマンが夢に出ているのかねぇ。」
「馬鹿、そんな問題じゃないでしょ。」
「ホントにバンパイアだったのかなぁ。」

シロウが呟くとケンイチとユウコは共に黙ってしまった。
二人が黙ったことに気付いてない彼はさらに呟いた。
「今日も見るのかなぁ。」
「もし見たとしたらその続きを教えてくれよぉ。」
「もし見たらちゃんと言いなさいよ?文化祭までもう少しなんだから」
「分かった。言うようにする。」

そう言い切ったシロウは緊張感無くお茶を啜った。

そして夜を迎える。
雨待ちのツバメです。
雨宿りなんて幾つぶりだろうと感傷に浸っています。

さて、今回話すのは「自信の有無」についてです。
私は友人から異常と呼ばれるほどポジティブシンキングの持ち主です。

しかし実はこれ、誤認です。
私は一切合切ポジティブシンキングなど持ち合わせていません。
むしろネガティブの塊なんです。
なぜなら私の考えは
「私は最高でも最低ではない。」
であるからです。

常に最悪の状況を思い浮かべ回避することで、最高の状況へと歩むその姿勢。

それのどこがポジティブシンキングでしょうか?

久しぶりの日記でのツバメです。

ここ数日間は小説しかアップしていませんでしたね。

私的には充実したものでしたけど、


先日、とある討論番組で「日本の医療制度」についてやっていまして、

その番組を見ていたときにふと思ったんです。


「近未来型医療小説なんかあったら面白いなぁ。」


主人公は熱血な医者の卵。

時は三十年後の日本、

進化した医療技術と相反して低迷する医療制度の中で、

弱くも強く生きようとする人間を描いた問題作!


・・・うん、書いてみようかな。

まだ書き終えていない小説を書き終えてからね。


それじゃぁまた。


あと、だれかそういった小説あったら紹介してください。

シロウの前では黒板に数学教師が一心不乱に数列を羅列させていた。
どうやら先生の言葉を掻い摘むと答えは3になるらしい。
殺伐とした中で彼は窓を眺めていた。
彼が考えているのは数学のことでもましてや差し迫った文化祭のことでもない。一昨日も昨日と今日も見た夢について。

「はぁ、・・・。」
「どったのぉ?シロウ坊ちゃん。」

シロウの前に席に座っているケンイチはシロウよりも明らかに勉強する意思はなく、ノートは広げられているものの見ただけで新品だとわかるほどに真っ白だった。

「何かぁ、悩み事ぉ?」
「いや、何でもない。」

夢の中で記憶を思い出すきっかけに何か心当たりはあるだろうか、
しかしシロウがいくら考えても一向に解決に収束する気配がなかった。
相談すれば解決するだろうか?彼は隣できちんとノートを板書しているユウコをみた。

「・・・、」

教師が書いた文字を一字一句違える事なく書き写されたノートはケンイチの物とは違った意味で綺麗だった。
すると彼の目線に気付いたユウコはゆっくりとノートを見せてきた。
どうやら彼女は彼の目線を救難信号のものだと勘違いしたらしい。

「ありがとう。」

そんな優しいユウコを更に困らさせる訳にはいかない、そう思ったシロウは授業に集中する事にした。
シロウはまたしても夕方の公園にいた。
そして夢の中で彼は思い出していた。
美女と会ったこの場所は日本ではなかった。彼が両親と共に旅をしていて、確かヨーロッパの田舎だったはずだ。
その時、日本語と少しの英語しか喋れなかった彼に美女は流暢に日本語で話しかけたのが不思議である前に不自然だった。

「バンパイアって言うのはね、特別な存在なの。」
「特別、」
「うん、そのとおり。」

すると、美女はブランコから降りた。何気ない仕種の一つ一つに引き寄せられた。そして体を延ばして天を仰ぎながら語った。

「そしてね、バンパイアにキスされた人間はバンパイアになるの。いえ、なってしまうといったほうがいいかしら。」

口元しか見えない美女の表情を読むのは難しい。
ただ、彼女が忌々しく言い放ったのは理解した。
どうしたことかと首をかしげて顔を覗き込むシロウに美女は改めて笑みを浮かべた。

「キスって知っている?」「うん、チューでしょ?」「ちょっと違うかな、」
「え?」

分からない単語だらけだった話に自分の知っている単語が出たことで自慢の入り混じった表情を浮かべるシロウに美女は穏やかに訂正した。

「バンパイアのキスはねこうするの。」

そういうと、美女はゆっくりとシロウの首に口を近づけた。美女は何をするか分からないシロウの首に甘く噛み付いた。