白雪姫は七人の小人との暮らしを楽しんだ。
しかしその楽しい暮らしも意地悪な王妃によってすぐに終わることになる。白雪姫を殺すため王妃は老婆に扮装し近付いた。

「そこの美しいお嬢さん、この赤くてみずみずしい林檎はいかが?」
「あら、とっても美味しそう。頂いていいの?」
「えぇ、もちろん、」

老婆から林檎を受け取ると白雪姫は嬉々として口をつけた。
後ろのスクリーンには白雪姫が林檎を噛じる映像が映し出されていた。

劇も順調に進みクライマックスへと近づいている。
それに伴いシロウの緊張も高まっていた。
王子様役の彼は物語の終盤にしかなく、出番の少ない彼には用意された台詞も少ない。
しかし物語中では白雪姫、王妃に次ぐ重要な役であり、一般常識として知られる役でもあった。
それは唐突に現れると白雪姫の唇を奪うというシーンの印象強さにある。

「うっ。」
「白雪姫ぇ!」
「白雪姫!」

林檎を咀嚼すると白雪姫はゆっくりと倒れた。
七人の小人が倒れた白雪姫に近寄ると舞台が闇に包まれる。
そして舞台が光を取り戻したとき、七人の小人を取り巻き白雪姫は横になっていた。

「うぇーん、白雪姫が起きないよ!」
「殴っても蹴っても、嬲っても起きないよぉ!」

ケンイチのアドリブも観客はブラックなジョークと捉えて笑っている。
劇が始まり、ようやくシロウの出番が来た。
そして彼は舞台中央で眠るユウコの下へ歩きだした。


王子が出てくると何故かおぉ、と歓声があがった。
彼は気にしないで堂々と白雪姫を見た。

「なんと美しい人か!」
「あんたぁだれぇでぇ?」
「私はとある国の王子、そこに眠る美しい女性はどなたか?」
「この方は白雪姫と申します。」
「白雪姫、なんと美しい。」

王子は白雪姫に近づいて頬を撫でた。
その仕種は真に彼女を愛しいと思わせ、あまりの自然な演技に観客は皆、言葉と表情を忘れて劇に魅入った。

「でも、老婆からもらった林檎を食べたら眠ったまま起きないんだ。」
「そうか、しかし美しい・・・。」

そう言うと、今まで何の不自然さを感じなかった少年の演技が止まった。



シロウの中で時が止まっていた。
白雪姫の頬を撫でて、顔を支えて自然にキスをする手はずだった。
しかし倫理的に彼女にキスをするのは気が引けて仕方が無かった。

「・・・、」

観客もシロウが止まった事に気付き始めていた。
そして次の展開を知っているためか、観客の目線が熱くなっていった。
親御も教師も、生徒達もこれからの展開を期待して待っているのを彼は感じていた。
彼は自分の口ほどの大きさのガムテープを手に隠し持っていた。
それを口に当てはめることも出来るのだが、それをすると謂われない非難を浴びかねない。
行くも行かぬも地獄の状況に立たされた彼はどうしようもなく困っていた。

「シロウ、シロウ、シロウ、」
「ユウコ?」

ユウコは観客に見えないように片目を開けるとシロウを見た。
そして小さな声で彼に話しかけた。

「何止まっているの?皆怪しんでるわよ。」
「でも、いいの?ファーストキスなんだろ?」
「ここまで来て何を言ってるのよ、」

ユウコの顔を凝視するシロウを演技だと勘違いしている観客は息を呑んで見守っていた。
更にはその状況をスクリーンに映し出されている環境でユウコは柔らかく微笑んだ。

「シロウだから、許すのよ。」
「それって、どういう・・・、」
「そろそろ気付いて、」

ユウコは隠れた手でシロウの服を摘んだ。
シロウは彼女の言動の意味を汲み取ると一気に顔を真っ赤にした。
そして彼女自身も今までに無いぐらいに顔を真っ赤にした。

「それって、」
「早くして。」

再び目を閉じたユウコの言葉で決心のついたシロウはゆっくりと顔を近づけた。
そして見守っていた観客も一気に覚醒された。



シロウがキスをしようとする瞬間、心音が耳元でドクンと大きく打った。
それと同時に聞えるはずのない声が聞え始めた。

『シロウ君、約束してくれる?君に好きな人が出来た時に。』

舞台の上でシロウは夢の中にいた。
目の前には白いドレスに身を包むユウコがいてとても魅力的だった。
彼女はキスを待っていた。

『その時に本当に愛おしいと思った時、』

白雪姫の記述のように雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪。そのどれもがシロウを魅了していた。

『その子に、』

そしてシロウはユウコに口付ける。

『バンパイアのキスを、』

血のように赤い唇ではない。
名の表す雪のように白い肌に、

『愛の契りを』
「愛の契りを」

ユウコの首にシロウは噛み付いた

風呂上りに熱っぽいツバメです。

世間はゴールデンウィークです。

私は学校の都合上、一週間以上の休みです。

休みすぎで死にそうです。


唐突ですが私はドラマは見ないんです。

ドラマの代わりにアニメを見るのですが。


最近多いのはアニメ原作のドラマですが、やっぱり見ないんですよね。


アニメの場合、三十分の短い中で一回のコマーシャルで終わるのですきなんです。

一時間の最期の二十分間にコマーシャルを数本入れるドラマはどうしても集中力をそがれるんですよねぇ。


ドラマも短時間ならさらっと見るかもしれませんね。

人工的に作り出された暗闇に光が奔り赤いドレスを着た女性と鏡が浮かび上がる。

「魔法の鏡や、この世で最も美しい女性は誰とぞ?」
「その者は雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪をもっております。」
「その者の名は?」
「白雪姫にてございます。」
「白雪姫と!?あの忌々しい子め!なんと愚かしき事か!」

回りながらも呪の言葉を叫ぶ赤いドレスの女に体育館の観客は全員が恐怖しながらも惹かれていた。
裏手にはケンイチとシロウが劇を眺めていた。
シロウの青とケンイチの黄色と世の中を歩くには恥ずかしい衣装を身につけていた。
ユウコは反対側に白いドレスを着こなして皆の視線を受けながら出番を伺っていた。

「さすが、アサカちゃん。超絶にうめぇなぁ。」
「一応は演劇部だからね。」

日曜日、ハタ中学校の文化祭の目玉でもある「演劇祭」が始まっていた。
一クラス三十分ほどの劇を評価して最優秀賞と優秀賞、更に特別審査員賞という三つの賞を与えられる。
現在、午後のシロウたちの劇「白雪姫」が上演されている。そして今のシーンではアサカが白雪姫の敵役を演じていた。

「あれ本意気だね。」
「つぅかぁ、あれすごいねぇ。」

シロウはアサカの背後にある大型スクリーンを首が痛くなるぐらいに見上げた、そのスクリーンのおかげかアサカの表情の一つ一つがクッキリとアップされていた。

「あれがなかったら色々と工作できるんだけど。」
「じゃんねんだったねぇ。」

ハタ中学校文化祭「演劇祭」の名物は巨大スクリーンによる放送である。
体育館で演劇をする際に後ろに座ると一切見えなくなり、その弱点を補う策がこれであった。
生徒にはあまりにも羞恥心を攻め立てられ不評だったが、親御さんには子供の表情が分かりやすくていいと大好評だった。

「さっきの一年の劇でもキスシーンあったんだけどぉ。」
「確か口にガムテープ張っていて、」
「ありゃぁすごかったねぇ。」

一年生の劇「眠りの森の美女」では苦し紛れの策も巨大スクリーンの前では何の効力も得られず、むしろ非難怒号の大合唱に苛まれた。

「もうすぐ次のシーンだ。」
「そんじゃあ、半分覚えた台詞で勘張りましょぅ。」
「半分で大丈夫なのか?」

ケンイチが去って一瞬の暗転で登場人物が立ち代った。シーンは七人の小人が森をさ迷う白雪姫を見つけるシーンに移った。
今日の夢の事を二人には喋らなかった、いや、喋れなかった。
それは嵐のように忙しくシロウを含めた三人の間に話題に上がることが無かったからだった。

「そこにいる美しい少女はどなたですか?」
「私の名前は白雪姫といいます。」
「ほいでぇ、白雪姫君がどうしてこんなぁところにぃ?」

七人の小人の一人、ケンイチの奇妙な話し方が劇の雰囲気をぶち壊している気がした。
しかし彼のおかげで、演技しているクラスメイトは一様に緊張感が解けていた。
バンパイアの美女が言った約束はまだ思い出していない。

だけど何か起こる、そんな予感だけはしていた。
シロウは今までにない感覚に戸惑っていた。
彼が見ていたのは幼い頃の記憶のはずだった。
幼い頃に夕方の公園で出会ったバンパイアを名乗る金髪の美女との思い出。
今までの夢は幼い自分を今の自分が見ていた。
しかし彼の目前には金髪の美女がいて微笑みを送っていた。

「お久しぶりね。シロウ君。」
「な、」

金髪の美女は昔のシロウではなく、今のシロウに声をかけた。

「大きくなったわね。体も心も、」
「あの時のバンパイアのお姉さんですか?」

シロウが質問すると金髪の美女は一層笑顔を強くして頷いた。

「覚えている?ここでのこと。」
「本当の事を言うと夢に出て来るまで忘れていました。」
「そうだと思ってた。」

記憶の中での美女よりも今、目の前にいる美女の方が数段魅力的にみえた。

「でもどうして夢を見させたんです?」
「それはね、シロウ君がようやく吸血鬼の種を受け入れる準備が出来たから。」
「準備って心と体の事ですか?」
「そうよ、だって約束したじゃない。」
「え?」
「あら夢で思い出さなかったかしら?」

美女が言っているのはシロウが見ていない夢を指していた。

「すみません、昨日は夢を見てないんです。」
「大丈夫よ、多分見たのを忘れただけだと思うから、」
「そうなんですか?」
「誰かといっしょに寝たとか体が接触しているとか。第三者が近くにいると特に忘れやすいから、」
「ケンイチは合っていたのか、」

ケンイチの言った悪夢の避け方は悪意が含まれていたものの当たっていた。
ただ悪夢を回避した訳ではなく忘れただけだが、

「そのケンイチ君が傍にいてくれたの?」
「あ、ケンイチともう一人、」
「女の子?」

一瞬、美女からドロドロとした威圧感が押し寄せた。
しかしシロウは美女の変化に気付かずに顔を伏して恥ずかしそうにモジモジしていた。

「はい、ユウコっていう子が寝ている間、ずっと手を握っていてくれたんです。」
「ふーん、ユウコちゃんねぇ。へぇー、なるほどねぇ。」
「ど、どうかしたんですか?」
「何でもないわよぉ、大丈夫、大丈夫よぉ。」

シロウは急にぶっきらぼうになった金髪美女にようやく気付いた。

「そうですか、」
「えぇ、大丈夫大丈夫。」
「はは、」

シロウにはふて腐れる美女がとても幼く見え、人間らしく見えた。
金髪の美女が自分自身に言い聞かせるようにひたすら呟いていた。

「まだ、大丈夫。まだ、大丈夫よ。時間があるわ。」
「あの、バンパイアのお姉さん?」

声をかけるのも気が引ける程に美女は自分の世界に引きこもっていた。
シロウの呼びかけに美女はハッと覚醒した。

「あっ、ごめんなさいね。」
「いいえ、」
「こほん、それで、シロウ君。」

金髪美女は咳をするとシロウの前に立ち直った。

「その、ユウコちゃんの事は君のなにかな?」
「な、なにって。」
「・・・恋人?」

金髪美女の一言にシロウは硬直した。
彼の反応に美女はあからさまに安堵して言葉を続けた。

「よかった、まだ大丈夫みたいね。」
「なに言っているんですか、僕とユウコはそんなんじゃあ、」

シロウの言い訳は美女が唇に指を当てたことで止まった。

「問題は有るみたいだけど、当面はいいみたいね。」
「?」
「明日、シロウ君は選択する。その選択で全てが変わるわ。」

金髪美女は一歩ずつシロウから離れていく。
シロウは近付こうと足を動かそうとすると足が不自然に固まり、シロウはその場に倒れた。
しかし美女はそれに構わずに立ち去ろうとした。

「シロウ君、多分明日中に約束を思い出す。それを守るかどうかはシロウ君自身、もし守るならまた会いましょう?」
「待って、」

言葉を出そうとすると、周りの空気が固まったように息を吐くことも吸うことも出来なかった。
それと同時に空間も歪みはじめ立とうとするシロウを邪魔した。

そこで世界は暗転した。



目を開けるとそこには何も無かった。
しかし背中一面に感じる汗と、手の中にある更に小さな手がシロウの世界を確固たるものにした。
そこで彼は改めて感じ確信した。
あれは夢ではなかったと、そして今日何かが変わることも

文化祭 二日目を迎える。
登校途中のツバメです。
特別眠くはないのですが、何より登校時間が長すぎるのがネックです。

さて、皆さんは覚えていますか?
某都知事の某国は民度が低いという発言。
確かサッカーの試合についての発言だと記憶していますが、
しかしながら最近、硫化水素の自殺やらチューリップとパンジーを引っこ抜くなど陰湿なブームが流行るこの国の民度が高いといえますか?

残念な事にこれなら某国の愛国心からでる迷惑行為の方が民度が高い気がします。

都知事!報告します!
どうやらあの国、民度が高い模様です!

ではまたいつか、