Fool's Journey 愚者の旅  Day68 MRI後編 | ∴MOLIVAN∵のブログ

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Success Fortune 筆頭占術士
フォーチュンアカデミー 専任講師

・・・前回より続く。 

 近未来的な印象を醸し出すMRIの中へ、検査台ごと身体が吸い込まれるようにして入って行く。
検査台の上にベルトで身体を固定されているから身動き一つできない。検査台が動きだす直前に、「検査機の中は大きな音がするから・・」と密閉型の大きなフェッドフォンを被せられた。
MRI検査機が大きな音を出すというのは、何かのドラマか映画のシーンだかで聞いたことがある。

 しかし、予想していた音とは違った。想像していたのは、低周波数の持続音が時々音圧を変えながら響いて来る感じ。「ブォーン ブォーン・・ ブォーーン」みたいなSFチックなイメージだったが、実際は遥かに大きなヴォリュームで「グワン グロン グワン」って大規模な工場の中にでもいるような音。どういう構造や原理で発せられるのか想像し難いが野蛮で攻撃的な印象。なるほど、これじゃあ怖いと思う人が居るのも納得出来る。だから密閉型のヘッドフォンで歯科医のロビーの様なBGMなのね。気持ちを少しでも和らげて緊張を解こうという意図なのだろう。ああ・・そうか!だから、歯科医のロビーは大概どこでもアノ手の音楽なんだ。誰でも痛いの嫌だから、歯の治療は嫌いだし緊張するもんね。
 今更ながら、色々と合点が行く・・でも、あれ?何だか聞いたことがあるメロディ。歯医者の定番ケニーGチックだけど・・・違いそうだな。ん・・思い出せそうで思い出せない。こういうの気持ちが悪い。ああ、歌詞が思い出せそうだ・・良い所まで浮かび上がりかけて「グロン ガオン」って騒音でかき消される。ああーもう少しだったのに曲が終わってしまった。絶対、さっきの曲は知ってる曲だ。女性が歌っていた気がする・・・・えーーっと・・・「ガオン  グロン」。

 次の曲も同じように原曲を知っている。だって、明らかにメロディに聞き覚えがある。でも曲名もアーティスト名も頭の中から出てこない。騒音に邪魔されつつ数曲に渡って同じような、脳みそがむず痒くなりそうな葛藤を繰り返しているうちに検査が終わり、身体が元の位置に出て行く。ヘッドフォンが取られ、ベルトが外され起き上がり、スリッパを履いて検査室を出る所で突然思い出す。あ、さっきのメロディのところの歌詞は「今年、最後の雪の華が~♪」だ。つまり、中島美嘉の「雪の華」をケニーG風のインストルメンタルのアレンジに仕上げているんだ。で、次の曲の方はAIの「Story」だ。そうかそうか、ああスッキリした。
 でも、さっきまでは、あんなに思い出そうとしたのにダメだった。閉所恐怖症でも無ければ、大きな音に免疫がない訳でもないのに緊張していたのか?検査結果が気掛かりだったか?そのせいだとしたら、なんだ情けないな自分。そんなに肝の小さな男だとは思っていないのだがなあ。
 
 翌週。検査結果の診断を聞きに行きました。先週も申し上げましたがコレ肩こりの話ですからね。悪い病気や深刻な話じゃないのです。専門医の下した診断は、肩腱板損傷。完全に断裂してしまうと肩が動かせないそうですから手術する事になるそうです。いや、そりゃあそうでしょうよ。筋肉や腱板が切れちゃったら動かないよねえ。糸の切れたマリオネットみたいなもんすねぇ。でも私、格闘家でもスポーツマンでもありゃしません。手術が必要になるほど身体を酷使しちゃいない。だけど、もしも、もしも肩の筋肉や腱板に大きな負担をかけた事があるとすれば、一つだけ思い当たることがあるんです。でも、まさかそんなことでMRI検査までする事になるとは信じ難いのです。恥ずかしながら、その一つだけと言うのを白状するなら・・・
 
 お釈迦様の涅槃像のような姿勢で寝てしまい肩だの肘だのが痺れて目を覚ましたことが何度か。これですかねぇ。もし、そうならコッチも随分情けない話であります。運動不足で筋力が低下している上に寝相が悪いってぇことにあいなります。それで肩がオシャカになっちゃ洒落にもならない。
おあとがよろしいようで。。。


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