生まれて初めてのMRI検査を受けて来た。医療ドラマなどで見かける、白くて無機質なドーナツ状の大きな検査機器の中に横になったまま入って行くアレである。先に言っておこう。これは脳腫瘍とか癌とか深刻な病気の検査では無い。肩こりの話なのである。
何年か前の四十肩の時は、友人の医師の助言でラジオ体操で無事に治った。しかし今回は、どうも様子が違う。痛い。上着を脱ぐ時に背中側に回った手を袖から引き抜こうとすると「ビリリッ」と痛みが走る。自分の正面にある物を持ち上げても何ともないのだが、身体の横にある楽器を持とうとすると「ビリリッ」。危うく床に落としそうになる。自家用車を持たず、高級な腕時計とかに興味の無い自分にとっては、恐らく所有している物の中で最も高価な製品は楽器だろう。ちょいと肩の塩梅が悪いからと、そんなに容易く落下させて破損させるわけには行かない。要は横着な事をせず、ちゃんと横を向いて身体の正面で持てば良い。それで良い。いや、良くない。楽器を落としそうにならなくなっても肩の痛みは一向に改善していない。
整形外科でレントゲンを撮ってみた。何の異常も見て取れはしない。診察室を出ようと、担当医に挨拶しながら横の扉に手をかけて開けよとすると「ビリリッ」。痛い。横はダメなのだ。横は。鎮痛剤を服用しながらでも無理のない程度に動かせとの指示。2週間ほど経過して、ほんの少し良くなったような気がするが、相変わらず横は危険。肩こりだとばかり考えていたがこの痛みは、確かにかつて経験した事の無い類の痛み。捻挫や筋肉痛とは明らかに違う。ここへ来て担当医の見解は、インナーマッスルの損傷・断裂。スポーツ選手には良くある事だとのたまわれるがその線はない。スポーツには無縁であり、ルールさえ良く知らん。
かくしてMRI検査という運びになったのだ。件の担当医師は、スポーツ選手達はオフシーズン中にオペをして辛く長いリハビリを乗り越える。何ぞと簡単に言ってくれる。手術?リハビリ?何の話だ?数日前までは肩こり・五十肩の認識だゾ。
検査着に着替え、狭いベンチぐらいのベッドに横たわる。シートベルトの様な物で体を固定される。ああ、これで逃げられない。何かあったらコレを握って技師を呼べとレモン大の物を渡された。それは、血圧を測る時に空気を送るゴムのポンプと同じような物。つまり、装置の中で微弱であれ電気を使わぬナースコールなのだろう。ヘッドフォンを付けられる。あ、ベンチが動きだした。身体が狭い装置の中に送り込まれて行く。ヘッドフォンからは歯医者のロビーで流れている様な音楽が聞こえて来る。。。

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