小説「壁」第十六話 | 森本オレオの落書き帳

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答えは簡単だった。

それは匂いのする壁だった。

そこは夢で必ず女が消えていく場所。

そして僕も一緒に入った場所。

段々音が激しくなっていった。

だんだん。

だんだんだんだん。

だんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだんだん。

僕は思わず後ずさりした。

そして壁から手が出てきた。

それは白くて細い女性の手だった。

手は僕の手を掴んだ。

僕は必死に振り払った。

しかしその手は女性とは思えないくらい力が強く、離れなかった。

僕はその手を掴んだ。

するとそれは生身の手から、骨に変わった。

しかし力は変わらなかった。

僕はいちかばちか、後ろにあるクローゼットを開けてみた。

中にはスコップがあった。

僕はそれを手に取り、手に向かって突き刺した。

すると手は僕から離れ、壁の中に入っていった。

僕は数秒間放心状態にあったが、また手が出てくるかもしれない恐怖から、スコップを握ったままそこから離れた。

そのまま台所に行き、水を飲んだ。

手からスコップを離したくなかったので、コップを持ち、蛇口をひねり、水を注ぐという動作を片手で行った。

体内に入った水が最初は異物に感じられたが、段々体に馴染んでいった。

そして後ろ手に椅子を引き、腰をおろした。

手足はだらんとしていたが、スコップを持つ手はがっちり握られていた。