映画「ブレイブ-群青戦記-」感想[ネタバレあり]※ちょっと追記 | 杢ログ-Mokulog-

杢ログ-Mokulog-

杢燐-Mokurin-のブログです。みたものの感想などなど。

久し振りに邦画が見たいな~何が良いかな~TLで見かけるやつにしようかな~などと選んで見て来た今作品。

邦画に対してややウエメセというすっかり腐った精神になった私はどれどれ思う存分に突っ込んで楽しんでやろうじゃないか!みたいに思っていたんですが(心底クズ人間)

 

あ、あれ…これ、結構良さげ…あれ?おもしろい…のか…?おも…おもしろいやつかもしれない…!?お、おもしろいだと…!?みたいな良い意味で予想を裏切る形となりました。

だからどんな作品でも見るまで分からないんですよね…

 

そして私は本当にそろそろそういう世の中の創作物を舐め腐った精神を更生するべきだと思う。

はい、マジですみません。

 

文武両道な名門高校が学校ごと戦国時代にタイムスリップ!

高校生達はスポーツやら科学やらのそれぞれの得意分野を活かし、戦乱の世を駆け巡る!

 

…書けば嘘は言ってませんよな紹介文になるんですが、嘘ではないが誤解を大いに招く。

 

いくら全国大会上位の高校生トップスアスリートでも戦国時代の本物の戦人に遭遇したら死ぬ!

普通に殺される!勝てるわけがない!あっちが持ってるの刃物!斬られる!突かれる!裂かれる!

 

という、まぁ令和の世で部活で功績上げていても戦国時代じゃか弱き獲物にしか過ぎない、戦国時代の武装した兵士に勝てるなんてそんなわけない!そんなご都合主義あるわけない!夢見てんじゃねぇ!!!と言わんばかりの右ストレートを僅か冒頭15分でキメられます。

 

襲って来る足軽があまりに不気味で怖くて「なにこれタイムスリップものな上にゾンビ映画なの!?」とビビったんですがゾンビ映画ではありませんでした。

 

とにかく高校生達はドカドカ死んで行きます。

これが戦だ!これが戦国だ!弱ければ死ぬ!勝てば生き残る!と言わんばかり。

だがしかし、高校生達は戦う。学生とは言えその精神はトップアスリート。

無理でも無茶でも戦って来た。勝つと決めたら勝つ。掴むと決めた結果は掴み取る。

勝てるかどうか分からなくても努力し続けて来た。アスリートだから。

…こんなん聞かされたら泣くわ。ホダのサレだわ。

でも命は大事にして本当に。死んだら駄目だよ。試合終了以前に人生終了させちゃ駄目だよ。

 

この辺のこれはだいぶショッキング。

ショッキングですけどこの容赦ない合戦の描き方は思い切っていてよくここまでやったな!と高く評価したい部分ではあります。めちゃくちゃむごいけど。

でもだからこそ「人一人が死んで泣けるような世界から来た者なのだな」みたいな元康の台詞が重く響く。

 

これ、前評判でこの虐殺シーンいるの?と言われていてどんなもんかと思ったんですが、うーんこれどう見ても不破パイセンのヤケクソ八つ当たりですよね。

あいつだったらやるだろうなぁと思う感じではあったかな。もちろん、外道の所業だけど。

顔が良いからってやって良い事と悪い事はある(顔なのか

その、不破パイセンこと簗田政綱役の渡邊圭祐さん。

見かけるたびに「すごいイケメンがいる!」「すごく顔がいい人がいる!」「あ!我が魔王の人だ!」などと言っていたんですが、ちゃんと名前覚えました。

い~~~~~や~~~~~~彼はヤバいな!すごいな!いい意味で!

日本人の9割が着たら寸胴になる甲冑を着ても美スタイル!スタイルおばけ!フィギュアか!みたいな造形美。そんな戦国武将がいるか。美しいぞ。

何で顔隠してるの?美しいから?美しいからなの?その美しい顔を曝け出していたら世が傾くからなの?じゃあ仕方ないわね。でも絶対女中達にはモテていたと思うわよ!(おまえはなにをいってるんだ

私は闇が深いあぶない男が大好きなんで今回の役はもうぐっっっっっっさり刺さりました。

なんだろう、あの妖艶さ。顔なんて殆ど映ってなくてもすごく雰囲気も存在感もある。

不気味が美しさがある。そう、美しい。危険で闇が深くてそれでもものすごく美しい。

お願い。これからもいっぱい悪い役をやって下さい。

 

三浦春馬さんの松平元康。

う~~~~~わ~~~~~~~~かっこいい~~~~~~~~~~!!!

わたし、元々そんなに三英傑に興味ないんですけど、この元康は本当にかっこいい。

助けに来るシーンとかさぁ、ずるいでしょあれは…

貴方様こそが天下です!日の本を照らす光です!と言いたくなってしまう。

この、この配役のキャラ付けが今作限りなんてもったいなさ過ぎますよ!?

彼を主人公にもっともっと物語を見たい!と思ってしまう程の良さ。

けれどそれはもう叶わぬ夢。それを忘れてしまう程の素晴らしいお芝居でした。

 

ラスト、まぁまぁオチはなんとなく読めたんですが、これは単なる好みなんですけど「正史とは違うタイミングで偉人が死んだから他の誰かが成り代わって歴史を修正する」っていうのあんまり好きじゃないんですよ。

歴史が関わっていようがいまいが「誰かが誰かの人生を代わりに生きる」っていうのが、あんまり好きなネタではないの。

これは本当に私の好みなんてさらっと流します。

 

あ、あとテンポの良さ!すごいサクサク進んで行くので見やすかったです。

上映時間あっという間だったなぁ。

なんかもっとこうイジってやろうかと思ったのに結構楽しんでしまいました。

☆付けるなら個人的には3.5ですね!

 

 

 

 

さて、最後に私の戯れ言です。

本編の感想とは全く関係ないのでここらでお帰り頂いても大丈夫です。

 

物語に、その物語の出来映え以上の付加価値を見出す事を私はあまり好みません。

作品が惑う、と思ってしまうから。

だから私は物語の物語に対して湧き出る感情を出来るだけ排除して感想を書こうと努めます。

けれど一人でも多くの人にこの作品を映画館を観て欲しい、と心から願います。

エンドクレジットの最後の最後まで。

と、書いてしまう事がまさに物語の感想に余計がものくっつける行為に他ならないのですがご容赦下さい。

 

デラさん、劇中での出番にさっぱり気付かなくてごめんなさい。修行が足らなかったわ。

名前を見付けた瞬間、もう流しきったと思った涙が溢れて止まらなくなりましたよ。

たぶんまだまだ出ると思います。泣くという事が悲しみを受け入れる儀式ならまだ当分終わりそうにありませんね。

 

やはり、役者の名前は、作品の出演者一覧に刻まれてこそ、ですね。