宇野功芳大先生の晩年のLIVEから
[収録内容]
1. チャイコフスキー : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 [i. 20'37'' + ii. 8'14'' + iii 11'27'' = 40'18'']
2. ベートーヴェン : 交響曲 第7番 イ長調 Op.92 [i. 12'27'' + ii. 8'59'' + iii. 8'00'' + iv. 7'03'' = 37'29'']
佐藤久成 (ヴァイオリン)
宇野功芳 (指揮)
仙台フィルハーモニー管弦楽団
ライヴ収録 : 2015年4月11日 / 宇和島市立南予文化会館
前回紹介した『宇野功芳大先生と大阪フィルハーモニー交響楽団のモーツァルトやベートーヴェン』と比較すると宇野功芳氏にしては、極端なデフォルメはなし。
と言うよりチャイコフスキーのソロを務める佐藤久成が時代錯誤と言うべきデフォルメだらけの演奏で、宇野氏の個性を上回っていると言うべきか。
ちょ〜個性的な演奏を聴くと宇野氏のお気に入りだったのも頷けるけど、これはやりすぎ。
テクニックをデフォルメで誤魔化してると思われても致し方ない。
絶対コンクールでは入賞しない演奏。
面白いと言えば面白いけど、チャイコフスキーが意図した演奏解釈ではないと思う。
ただ宇野氏は、ソリストに合わせの表情たっぷり。
後半のベト7は、宇野氏としては、割と普通。
ただホルンの強奏とティンパニの強打は宇野氏らしい。
弦楽器が薄く聴こえる分余計目立つ。
第二楽章の終わりの弦はアルコでなくクライバーがなどと同じくピチカート。
全体的に宇野氏御推薦のクレンペラーの演奏を意識したのか、煽る演奏と言うより堂々としたスタイル。
全体的に仙台フィルが演奏者の解釈に共感してない感じがするのと、宇野氏もこの年の後半大病をして、翌年亡くなっているので、この頃には既に体力的にも枯れた表現にならざるを得なかったように思えます。
また四国の宇和島になぜ東北の仙台フィルか不思議でしたが、宇和島は元来伊達家の所領で縁があり、姉妹都市関係にあること、またこのコンサートを企画したのが宇野氏の絶対支持者である宇和島文化会館長である宇神氏が関わって実現したものらしいです。