新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会 サファイア 〈横浜みなとみらいシリーズ〉第7回 | 音楽って素敵 ₍₍¶(ू⁄›˅̮‹ू∖)⁋₎₎ ♪♬

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クラシック音楽のコンサートなどなど拙い文章ですが、気侭に綴っています♪

ブルックナー
交響曲第9番ニ短調 WAB109(ハース/オーレル版)
テ・デウムハ長調 WAB45*

指揮:上岡敏之
ソプラノ:山口清子*
アルト:清水華澄*
テノール:与儀 巧*
バス:原田 圭*
合唱:新国立劇場合唱団*
合唱指揮:富平恭平*
オルガン:室住素子*
コンサートマスター:崔 文洙



10月首都圏のオケの定演でブルックナー9番(インキネン日本フィル、ブロムシュッテトN響)が続き、ブル9祭り状態にブルオタが狂喜乱舞したとかしないとか(笑)
そしてブル9祭りの最後を飾ったのが上岡敏之NJPコンビ。
前者はメインのブル9に古典的交響曲を前半に置くプロだったけど、上岡NJPは、ブルックナーが生前フィナーレが未完になる9番に対し「テ・デウムを」と言ったことから9番とテ・デウムでひとつの完成系と見なして演奏…意外と実演ではこのパターンは少ない…この形はブルックナーの意思と見なしブルオタ心を擽るのか、それは邪道(あくまでも未完成のままが本来)と見るか…賛否両論もあるみたいです。
上岡さんが今回フィナーレにテ・デウムを持ってきた理由として、本人のコメントは、

「ブル9を演奏するたびにどこか中途半端に感じてきました。楽譜を見ても絶対に4楽章がある曲。スケッチを見てもそうです。しかしコールス版などは恣意的で受け入れがたい。この曲は3楽章で終わる曲ではない。であれば,ブルックナーが望んだようにテ・デウムを持ってくるのがいい。」

とのこと。

木さん的には、ブル9が未完のままでも補筆されたフィナーレを持って来ても、もちろんテ・デウムであっても、然程気にはしません(笑)

学術的云々より要は面白く聴ければ、なんでもあり派です。

さて、上岡NJPのブル9を聴いた印象は、流線型。

野人ブルックナーのゴツゴツ感はなく、清流のようなブルックナー。

第一楽章や第三楽章は、体感的にはテンポが遅めに感じ、第二楽章は早めに聴こえたけど、テ・デウムを含め全体を通して90分位で終わったから、計測すればちょっと遅め程度かしら。

上岡流ブル9は、荒々しさより、オケの響きに美しさと柔らかさを主張したり、バウセや間の取り方など上岡さんらしい拘りを感じつつも、木さん的にはしっくりせず。

(;-ω-)ウーン

なぜ??

正直今日のオケの調子もイマイチ。

全体的に緊張感が欠け、緩い感じ。

特にホルン(ワーグナーチューバ)は、ヘロヘロ。

(両日聴いたゴンチさんのブログによると前日よりオケの調子は悪かったとのことです。オケの疲労と会場の違いの影響もあったのかな)

7月のヤングの4番の時は、ホルンをはじめ鉄壁のアンサンブルだったのに、今日のNJPは何となく精細さを欠いていたような。

メンバー表を見ると3分の1近くがエキストラ!!

まさかそれが影響してるとか??

理由はともかくオケが上岡さんの意図を完全に掌握してない感あり。

精度が低いので、上岡さんの拘った箇所も決まらず。

部分的には、第一楽章の出だしの美しさやスケルツォの悪魔的な暴力感、第三楽章の後半の清らかさなど「おぉ-(o゚Д゚ノ)ノ」って思える箇所も多々あったので、ダメダメって感じではないけど、個人的には不完全燃焼。

前回のベートーヴェンが上岡さんの拘りが十分オケにも浸透していて面白かっただけに、今回は残念な結果に。

ただベートーヴェンの時のように上岡さんとオケがもっと練れてれば、感銘度はまた違ったような気がします。

フィナーレに持ってきたテ・デウムは、新国立劇場合唱団の見事な歌声と声量は素晴らしかったけど、ソリストがちょっと弱かったような…何となく纏まりに欠けていた気がします。

合唱の上手さに気を取られオケの疵は、あまり感じず。

交響曲、テ・デウムを通して、スケルツォとテ・デウムが今回一番良かった様な気がします(個人的な感想)。

ただ、テ・デウムの合唱団が第二楽章終わったあとに入り、第三楽章までかなりの間があったことで、緊張感が途切れたこととブル9の統一感が薄れてしまった感あり。

合唱団は、最初から入りでも良かったような気がします(P席配置なんで座ってられるし)。

でも後からよくよく考えると「これって上岡さんの拘り??」かなと。

上岡さんは、前述のコメントからブル9はテ・デウムを含め完全系と捉えてることから、従来の第三楽章で終結する形で聴くのを避ける為、敢えて第二楽章のあとに合唱団を入場させ、間をかなり取り区切ることで、四楽章形式のブル9を聴かせようと確信犯的な合唱の入りだったかも!!

これって勘繰りすぎかしら??

ただやはり第三楽章前の合唱やテ・デウム前のソリスト入りは、緊張感を削ぎ、一気に演奏した方が上岡さんの考える四楽章形式のブル9の統一感は出たような気がします。

9番とテ・デウムの組み合わせは、通常の三楽章で終わるパターンに慣れていると、違和感は正直あったけど、ブルックナーの意志を再現したこの組み合わせで聴ける機会は、あまりないと思うので、企画として面白かったです。

上岡さんの独特の解釈や拘りは、両刃の剣とも言え、アタリ・ハズレもあるけど、決まった時の爽快感は何とも言えず、それがまた面白かったりもするので、今後も楽しみ

ヾ(๑╹◡╹)ノ"

ブルックナーは、意外と自然体の方が個人的にはしっくり行くかも。

上岡さんの独特の解釈拘りは、ブルックナーよりマーラーの方が効果ありそうなので、来年3月のマーラーの復活にはどう挑むのか気になるところ…日程的に聴けそうにはないのが残念…もし休み取れればぜひ聴いてみたいです 🎼.•*¨*•.•*¨*•.¸¸🎶

直近の来年1月のルビーは、イタリアオペラの管弦楽作品とベリオ編曲のブラームスなど、こちらも上岡さんの面目躍如って気がします…こっちは日程的には大丈夫なんでチケット買おーかな(笑)

最後に第三楽章のあとに拍手事故は起こらず、テ・デウムが終わったあとも長い静寂のあとに拍手。

変なブラボーもなし!!

(本末転倒だけどあの静寂に一番感動したかも)

入りはもう少し欲しいとこだけど、みなとみらいのお客さんの反応はとてもよかったです。

お客さんのマナーは良いと褒めましたが、唯一木さんの視界にあったおじさんは、手癖・足癖悪く、演奏中前屈みなるわ、足を大きく組むわ、プログラムを堂々広げて読むわ、その煩わしい動きに木さんの集中力を削がさせてくれました(ŏ﹏ŏ。)

あー此方前回もいたよな〜

なお、今回は上岡NJP定番のアンコールはなし。

(このプロではないとは思ってましたが…一応…)



2018.10.28(SUN)

14:00

横浜みなとみらい大ホール




みなとみらい帰りは

やっぱりキルフェボンヾ(๑╹◡╹)ノ"

秋の実りのタルトなり!!