交響曲第4番変ロ長調op.60
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調op.19*
交響曲第7番イ長調op.92
指揮:上岡敏之
ピアノ:田部京子*
コンサートマスター:崔 文洙
上岡NJP、普通とは違うベートーヴェンを聴かせてくれるとは予想していたけど、実に面白かったです(笑)
昨今ベートーヴェンの交響曲の演奏スタイルは、ケルト・ドラムなどを置き、ピリオドぽい演奏が主流(なのかな〜??)に感じる中、上岡NJPは、弦も比較的厚め(14-12-10-8-6)なんだけど、ドイツ風重厚路線とはまた違う上岡流。
テンポも快速でサラッと流した一筆書きのような感じながら、上岡さんらしく細部に拘り、一筋縄ではいかない演奏。
あざといまでの強弱の対比、突然木管や低弦をフワッと浮き立たせ独特の音響バランスで鳴らしたり、各楽章の終結部をジャンとしっかり終わらせるのでなく、すっーと息を抜くような脱力系の終わり方をするなど、色々な仕掛けが満載。
フワッとした軽さの中に時折悪魔が宿るみたいな何とも不思議な演奏。
4番・7番共に面白いことは面白いけど、仕掛けに気を取られ、木さん的には感動という面では疎かになってしまったのはちょっと残念。
こうした仕掛けは、オケにも慣れがあると思うので、初日より二日目(三日目の茅ヶ崎公演は、もっと)の方がより効果と感動が結び付くような気がします♪
田部京子さんを迎えてのピアノ協奏曲第2番は、弦もプルト数を減らすことでオケの透明感が高くなり、また上岡さんの拘りも交響曲と比べ押さえ、田部さんのピアノを献身的に支えることに徹することで、田部さんの奏でるエレガントなピアノの音色にオケが絶妙なバランスで絡み、それは正に天国的な美しさとなり、美演そのもの♪
ベートーヴェンと言うよりモーツァルトの28番目の協奏曲って趣き♪
名演でした!!
個人的にはCDの演奏を含め、実演で聴いたアンスネス以来のトップ・クラスの演奏でした♪
フィナーレ序盤では、田部さんオリジナルのカデンツァもあり、面白さでも群を抜いてました!!
(ソリスト・アンコールなかったの時間的制約かしら??残念)
上岡NJPならアンコールは、あるなーと思ったけど、まさかこれが来るとは想像出来なかったわ!!
調性(イ長調)繋がり、踊り繋がり(7番がワーグナーの言う舞踏の聖化とイタリアのフィナーレがサルタレトやタランテラのリズムを引用)かしら??
疾走するリズムに鳥肌。
こちらも終結部は脱力系。
アンコールは、気負って聴かなった分、感動も素直に感じられ、とても良かったです!!
7番はリピートなし。
全曲で35分切っていたかも。
上岡NJPの公演は、CD用に殆どマイク立っており、今回も立っていたので、CD化の可能性あり。
但し、全てがCD化されてる訳ではないので、上岡さんの意向や録音状態、市場リサーチなどで最終的には販売されるのかしら??
田部京子さんも偶然にも同じレコード会社よりCDを出しているので、こちらもCD化される可能性あるかも。
両方ともCDで出たら聴いたみたいですね♪
NJPは上岡さんと公演回数を重ねる度にどんどん上岡さんのオケに染まり、今回も上岡さんの意図に応え大健闘!!
以前は空席がかなり目立った客席もそこそこ埋まり、上岡効果は、演奏でも集客でも良い方向に向いているようで、上岡NJP、今後も目が離せません!!
2018.10.5(FRI)
14:00
すみだトリフォニーホール