グリンカ
「ルスランとリュドミラ」序曲
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23
マーラー
交響曲第1番ニ長調「巨人」
《ソリスト・アンコール》
ショパン
ワルツ第17番変ホ長調「遺作」
《アンコール》
ウェーバー
歌劇「オイリアンテ」序曲
指揮:アンドレス・オロスコ=エストラーダ
ピアノ・ソロ:アリス=紗良・オット
日本でもお馴染みのパーヴォ・ヤルヴィさんやインバルさんが指揮者を務めたドイツのhr交響楽団(旧フランクフルト放送交響楽団)のハーモニーホール座間開館20周年記念クラシックコンサートに行ってきました。
今このオーケストラの音楽監督を務めるエストラーダさんは、コロンビア生まれで19歳でウィーンに渡り、ウィーン国立音楽大学で学び、hr交響楽団の前任は、佐渡裕さんが今度首席を務めるトーンキュストラー管弦楽団の首席指揮者を務めた逸材です。
エストラーダさんは、1曲目の「ルスランとリュドミラ」からノリノリの指揮で、快速にこの序曲を纏めます。
2曲目は、アリス=紗良・オットさんを迎えてのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。
彼女は、今年5月にオペラシティでソロリサイタルを聴いたのですが、彼女のピアノで協奏曲を聴くのは今回が初めて。このコンサートは、アリスさん目当でもあったので、期待大です。
アイボリー系のドレス姿で登場したアリスさん(ロングドレスで足元は良く分からなかったのですが、多分いつものように素足だったと思います)…すらっと細身の長身で、まるでモデルさんみたい…相変わらず美しく、天は二物を与えずという言葉はまったく当てはまりません(ずるいw)ヽ(*'0'*)ツ
最初椅子の高さ調整がうまくいかずエストラーダさんにちょっと待っての仕草がまたかわいらしいのですが、協奏曲が始まり彼女がピアノを奏でるとダイナミックな音が!!彼女はインタビュー(ぶらあぼやジャパンアーツの宣伝など)の中で再度この協奏曲と向き合ったそうで、演奏にも力は入っているように感じます。途中腰を浮かせたりとかなりの熱演。第1楽章が終わり拍手があったのは、この曲を知らないというよりあまりの熱演に思わず拍手してしまったんだと思います。
第2楽章のリリシズム、終楽章のたたみ掛ける迫力など、久しぶりにチャイコフスキーのこの有名な協奏曲の醍醐味を味わうことができました。
曲が終わるか終らないうちに大拍手。
ピアノリサイタルの方が彼女の個性が開花すると感じていたのですが、今日の協奏曲も彼女の個性が上手く活かされていたと思います。
アンコールのショパンの遺作のワルツも素敵で、指揮のエストラーダさんも情熱的なサポートでした。
後半、マーラーの巨人は、今年3月に中堅指揮者のO氏、G響の凡庸な演奏を聴き、がっかりしたので、今回、マーラーの交響曲の演奏は、前任のパーヴォさんやインバルさんが素晴しいマーラーの演奏をしてきた伝統のあるhr交響楽団の演奏に期待が膨らみます。
エストラーダさんの指揮は、ここでも情熱的でマーラーの巨人を熱く盛り上げます。
やっぱり巨人は、これくらい熱い演奏が好みですね。
全般的には、エストラーダさんの解釈には満足したのですが(一本調子になりがちな部分はありましたが)、オケとエストラーダさんが今ひとつ噛み合っていないというかオケにもかなりミスが多く、インバルさんやパーヴォさんと緻密なマーラーの演奏をした同一オケとは思えない感じが残念だったのと、ハーモニーホール座間の音響的特性なんでしょうが、重低音の響き(コントラバスのブンブンする響きや大太鼓やティンパニの空気を揺らす音圧など)が感じられず、これが響くとまた違った印象になったかも知れません。
まだこのオケに就任したばかり、これからがエストラーダさんの本領発揮なんでしょうね。
期待して見守りたいと思います。
アンコールのウェーバーの序曲は、リラックス感もあったのかhr交響楽団もエストラーダさんと息もピッタリ!!
全体的にこのクオリティなら最高の演奏会だったのに…
しかし、地方都市の開館20周年記念とは言え、S席でアリスさんの演奏も聴けて1万円は外来オケでは格安です。
都心のホールのほぼ半額。
コスパ的には大変お得なコンサートでしたヾ(@^▽^@)ノ
2015.11.14(SAT)
17:00
ハーモニーホール座間
今週もまた雨の中のコンサート(TωT)
移動つらいです(T_T)