デヴィッド・シルヴィアン(9) | もくまおうの「スロットを愛するブログ」

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2009年9月にリリースされた

Manafon


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前回記事を書いたときはあまり聴きこんでいなかったときだったので、

改めて書き直します。


1.Small Metal Gods

ごくごくまばらにしか音が入らないアレンジ。

ほとんどアカペラに近いデヴィッドのボーカルの表現力、説得力は流石というか。

聴けば聴くほど好きになっていく曲です。


2.The Rabbit Skinner

調性を全く感じさせない即興演奏にでも、

デヴィッドがしっかりと歌メロをのっける職人芸を堪能できるこの楽曲は、

前作『ブレミッシュ』からの連続性が色濃く出ています。


これに続く“Random Acts of Senseless Violence”も同じ感じ。

ただ『ブレミッシュ』が電子音メインだったのに対して、

このアルバムはアコースティック中心に音作りが変化しています。

それでも、不協和音やノイズが意図的に盛り込まれているとろことかは、

やはり前作からの連続性が感じられます。


6.Snow White in Appalachia

この曲もまた無調で即興的。

そして、このアルバムのもう一つの特徴は彼の書く詩が、

一つ一つ何か物語を読んでいるような感じのするものが多いこと。


コンサートと交通事故があった/彼女が世話する子供たちがいた

一度埋め合わせをした/ちょっとした軽率さも

フロントガラスには氷が張っていて/ワイパーは壊れている

そして金属片が飛んでいる/彼女と友達の間を

彼女は彼らをその場に置き去りにした/アパラチアの丘陵に

そして積み荷を軽くするために/サンドバッグを投げ捨てた


それまでは内省的なものが多くて、

かと言って私小説的なベタッとしたものではなく、

抽象的で暗示的な言葉遣いの中にデヴィッド・シルヴィアンという人の、

生身の姿が垣間見えるような詩

(“Ghosts”の うまくやれそうだと思うとき/扉をひとつひとつ破っていくとき
人生の幻が/かつてないほどに荒れ狂う ってフレーズなんかが典型的)

が多かったんですが、今回のこの変化は意外な感じでした。