1985年発表の『ザ・クイーン・イズ・デッド』
日本でこういうタイトルのアルバムが出されたら、って出せませんよね。
でもこんな過激なタイトルのアルバムが全英2位。
親愛なるチャールズ お母様の結婚式の時のベールをかぶって
天下のデイリー・メイル紙の第一面を飾りたくて
たまらなくなったことはないかい?
という、ストレートで過激な言葉と、
だからスポンジとさびたスパナを手に
僕は宮殿に押し入った
というシュールな内容が入り混じった詩は、ほとんど言葉の洪水。
モリッシーの詩の中でも、一番言葉が詰め込まれた作品なのでは。
曲もザ・スミスの作品の中で一番攻撃的。イントロのドラムからヘヴィメタか?って感じです。
映画監督のデレク・ジャーマンが撮ったシュールな仕上がりのPVが削除されて、
見れなくなってしまったのは残念な限りです。
これも画質・音質ともにイマイチなライブ映像ですが、
イントロ、間奏のギターのカッティングの格好良さはザ・スミスの全ての曲の中で断トツ!
僕には
人間の仲間に入れてもらう権利なんかない
詩にはこのようなモリッシーの屈折したメッセージが込められています。
♪The Boy With The Thorn In His Side
いかにもモリッシーらしいタイトル。
心に茨を持つ少年
その嫌悪の陰には 愛に飢えた心が隠れている
後半はお得意のヨーデル風スキャットです。
♪There is a light that never goes out
哀しげなメロディがすごく美しいナンバー。
そしてもしも/10トン・トラックが僕ら二人とも殺したとしても
あなたの横で死ねるなんて/最高に素敵な死に方だな
ラブソングですが、モリッシーらしいネガティブなロマンティシズム溢れる詩です。