『ブレミッシュ』と『マナフォン』との間に、
デヴィッドは実弟のスティーブ・ジャンセンらと新バンドナイン・ホーセスを結成。
2006年アルバム『スノー・ボーン・ソロウ』
オープニングナンバー、
そこはワンダフル・ワールド/建物が崩れて
あなたは足が宙に浮くまで/歩みを速める
かつては内省的な内容の詩が多かったデヴィッドですが、
9・11以降は社会的内容も取り上げられるようになりました。
ただ、このライブではスウェーデン人ボーカリスト、スティーナ・ノルデンスタムが歌う、
あれは彼の声、声に出して喋っている/時々、歩きながら口笛を吹く
彼にはせいぜいそれぐらいしいかできないから/私は彼のために涙を流す、今ここで
という部分をデヴィッド自身が歌っています。
内容的にここは女性の声で歌って欲しかった気が。
こちらはアルバムのタイトル曲。
最初に紹介した曲がアコースティックの音を生かした穏やかな曲だったのと対照的に、
こちらはアコースティックな音と電子音を上手く組み合わせた前衛的なナンバー。
昔はブランコのあった遊び場も/その後邪悪な空気に包まれ
すべて冬のなかに色を失った
でも今はそれが我々らしさ/この雪から生まれた悲しみ
ぎくしゃくして粉々になったこの愛
詩は『ブレミッシュ』のときの重さをさらに深く掘り下げた感じです。
ただ、音楽的には、この曲
♪Atom And Cell (PV?)
もそうですがそれは、『ブレミッシュ』のときの重苦しさも全然なく、
聴いてて心地よいアルバムです。
どの曲もしっかり作りこまれている感じで、何より調性がはっきりしていて、
どれも安心して聴けます。
あと、このアルバムを心地よくしているのは、
ゲスト参加のスティーナの貢献も大きいのでは、と思えるんですが、
彼女のボーカルをフィーチャーした、
♪Birds sing for their lives (PVではありません)
この曲には特にそれがしっかりと感じられます。