●木版画教室。彫刻刀の種類=お肌つるっつる! 凸凹直しの達人とは?
萬里(まさと)です。こんにちは。
今日も
創作木版画教室=独学・初心者もわが家で免許皆伝!
へ、ようこそ!!
木版画は、
彫刻刀で版木を彫ります。
これって、版木の立場からいうと、
実はむりやり切られているということでもありますね。
版木の方からみれば、
「切らないで~。」「切られるもんか!」
と必死に抵抗しているってことになります。
それをエイッと切るのだから、
それなりの力、
そして刀の切れ味の良さが必要になりますね。
今回は、平刀についてのお話しです。
■彫刻刀の種類■
1.版木刀(切り出し刀・印刀・小刀とも呼びます)
2.平刀 《間透(あいすき)とも呼ぶ》
3.丸刀
4.三角刀
●平刀●
★平刀って、実は2種類あります。
★刃先が一直線になっているものが一般的ですが、
刃が丸くカーブしたタイプのものがあります。
★平刀の刃は、平らな面と斜めに削った面がありますが、
平らな面の方が刃裏。
★そして、平刀を使うときは刃裏を上にして使います。
初心者には、刃表を上にして、
「切れない!」と悩んでいる人をみかけます。
★刃表を上にすると、刃の両角が版木に潜り込み、
思うように動きません。
それを防止するために、カーブが考えられたのですね。
★輪郭線を切り出し刀で切り廻したあと、反対側から
平刀でカットして、際(きわ)を彫り出したり、
「板ぼかし」ともいう、図柄のエッジを斜めに
削り落とす場合などに平刀を使います。
★図柄以外の不要部分を彫った跡が凸凹状態なのを、
なめらかに整理彫りするのにも平刀を使います。
結構用途の広い刀です。
★ノミのような大きな平刀があります。
これは「見当ノミ」といって、常に同じ位置に
摺れるように、用紙の位置を固定する「見当」を
彫るための平刀です。もちろん見当以外に使っても、
誰も怒ったりはしませんが・・・。
★平刀で作業していると、しばしば刃の両側の角が、
彫り残したい部分に潜り込んでしまって、
削り取られてしまう場合があります。
角の尖りが食い込みやすいのです。
(そういう場合は、失敗した削りカスが失くなら
ないうちに、木工用ボンドで貼り、修正します)
★こうした、欠点をなくすために、丸平は角を落として
あります。動きがスムースになるので、彫りがいくら
か楽になります。
しかし、丸平では見当を彫ったりできないので、最初は
普通の平刀を持っていた方が、使い勝手が広いでしょう。
★平刀は、ごく浅く、削るような彫り方ができるので、
版面に微妙な凹凸を作ることができます。
摺ってみると、彫った部分が微妙にぼけていたりして、
おもしろい効果を出すことができます。
★平刀は前方へ押し出して彫っていくのが一般的ですが、
エッジの斜め落としなどの場合に、刃先を食い込ませた
あと、左手の支え指で右方向に押し出していくように、
横に動かして彫る方法も、いろんな場面で活用できます。
平刀はよく使う刀です。
ただ、刃先を左右にぶれながら使っていると、
すぐに鈍麻して切れ味が悪くなります。
左手の人差し指や中指を刃の脇に添えて、
ぶれがでないように気をつけながら作業しましょう。
次回は丸刀の使い方です→