CRF250RALLYのインプレッション | 木馬の四方山ばなし

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趣味の話や日々の出来事を中心に何となく、自己満足のためにつづっていくブログです。

発表されたときから気になっていたバイクをとたまたま借りられることになった。
果たして、乗ってみると欲しくなってしまうのか、はたまた
ブルーサンダー号との乗り比べでは所詮、がっかりするだけなのか・・・・(苦笑)



実車を見る限り、離れてみている分にはかっこいいなぁと思うんだが、各部をつぶさに観察するとやはり安っぽさが隠しきれないところも多々有り・・・(苦笑)

スペックで言うとやはりその
重量が気になっていた。
ベースのCRF250Lでさえ、ブルーサンダー号よりも重いのに、ラリー仕様はさらに10kg以上の重量増である。

実際、またがってバイクを立ててみただけでもその重さを実感する。(爆)
でもウインドプロテクションは良さそうだし、重くてパワーは無いから走りは期待できないもののツーリングバイクだと思えばまあ許容範囲だろう。

本来ならば関東近県では最も走りやすく、基本性能チェックには最適な
中津川林道を走りに行きたいところだが、昨秋の台風直撃で崩落だか落石だかでずっと通行止めが続いている。
反対側から三国峠までは行けるようだがダートが残っているのは三国峠から埼玉県側の王滝村キャンプ場までの間だ。
その間がまるまる走行不可なのである。
仕方ないのでとりあえず舗装路だけだがぐるっと回ってくる事にした。
秩父から国道299号線を進み、正丸峠を越えたら南下し、名栗湖周辺で林道の入口まで行って雰囲気だけ味わう。(笑)

まあ、借り物だからダートは走らないで我慢だ。(爆)
最後は関越自動車道で高速走行での安定性やウインドプロテクションを確認する。

比較対象はオイラの愛車のブルーサンダー号だ。


林道のR1と呼ばれたダートスプリンター。WR250R。
残念ながらヤマハが生産中止を発表したので今乗っているものがもしも壊れてしまったらそこでおしまい。
良い悪い、好き嫌いを言う余地も無く、この
CRF250RALLYしかオイラには選択肢は残らなくなる。

まあ、そんな作戦で乗ってきたのでインプレッションをまとめたいと思う。

借り受けと返却を入れて,足かけ4日。
距離は150km程度だが、プチツーリングもしてきたのでいずれ自分が買うときのための備忘録としてインプレッションを書いておこう。
 


スタイル
オイラはかっこいいと思う。良~く見ると細かいところにチープさを感じなくもないけど全体の雰囲気はOK。
十分買う価値ある。
ブルーサンダーがスプリンターとして贅肉をそぎ落とした精悍さを持つと言うならば、
CRFラリーはまたがっただけで旅に出たくなる冒険心あふれるスタイルと言ったら褒めすぎだろうか?
 

パワー
低速から十分なトルクがあるので3000回転もまわしていれば実用上十分だ。そこそこ粘るので街乗りや郊外で普通に走るときはブルーサンダーよりも遙かに乗りやすい。
それに定速走行では高めのギアが使えるので燃費にも好影響のはずだ。
ただし、スペックどおりではあるが、
ガバッと開けた時のパワーはかなり物足りなく感じる。フロント周りの重さの影響も有り、体重移動とクラッチアクションを使わない限り、フロントを浮かせるのはかなり難しそうだ。

7000くらいまでまわせば結構トルクフルだが
8000を超えると振動が急激に増えるのが惜しい。
通常走行時のエンジン振動は良く抑えられていてハンドル、シート、ステップに伝わる振動は問題にならないレベルだが、8000を超えて1万近くになるとシートにむずがゆくなるほどの振動が出る。ハンドルに来る振動も大きくなるがこちらは角が取れた感じの振動なので不快ではあるがシートに来る振動ほど問題では無い。
まあ、もともとパワーのあるエンジンではないし、がんがんぶちまわしてもあまり良い事は無いので瞬間的な加速では使うにしても通常は7000以下、まわしても8000以下で乗っていればまったく気にならない。第一、それ以上ぶち回す必然性も薄い。



ハンドリング
低速でもふらつかず、速度を上げてもまったく不安なし。それでいてコーナーでもニュートラルなハンドリングを実現していて、クイックとか敏感なハンドリングとは言いにくいがレースに出るのでも無い限り、これに不満を持つ人はいないはずだ。
今回は借り物と言う事でダート走行は控えたが恐らくダートでも素直な特性は変わらないと思う。
機敏と過敏が紙一重な感じがつきまとうブルーサンダーよりは遙かにライダーに優しいハンドリングだ。ミスを許容する懐の深さがある。
ヘッドライトやウインカーなどが全てフロントカウルに装着されているのでハンドルの操舵自体は重さを感じないが切り返しでのフロント周りの重さは常に感じる。
だからダート走行時などはややフロント荷重気味のバイクの特徴を踏まえて
ハンドルをこじらない乗り方を意識する必要があるだろう。

まあ、これはオイラのブルーサンダー号でも同じで有り、フロントがグリップを失ったときの挙動というか重さが違う分、無理しない方がいいよと言うレベルの話だ。
これを回避したければ、これまたオフロードでの基本だが、十分減速してフロントタイヤのグリップは確保しながら、
アクセルでリアタイヤをコントロールして曲がる事を心がけるのが一番だ。

操作系
アクセルはまったく問題なし。全開までの角度も重さも標準的だし、違和感は無い。
クラッチもワイヤータイプではあるが十分軽く操作できる。オイラの場合、指2本で一日中乗っていても大丈夫だと思う。(人差し指と中指)


半クラッチのタッチもOK。ただし、エンジンが焼けてくると僅かにミートポイントが手前に来るがこれはどんなバイクでも同じなので仕方ないだろう。恐らく10W-30のオイルが入っていると思うが、
少し高グレードの10Wー40を入れればだいぶ緩和されるはずだ。
個人的な好みとしてはレバーが長すぎるのでサードパーティ製のショートレバーに交換して人差し指と中指で握り混んだときにレバー先端が薬指に当たらないようにしたいところではある。
さらに贅沢を言うならば、オイラのブルーサンダーにも装着しているが、マグラの油圧クラッチキットをつければ文句なしだ。(高いけどね)

クラッチの切れがいいのも手伝って、シフトフィーリングも合格点だろう。今回のぷちつーでもミスシフトは一度も無かった。



ブレーキ
フロントブレーキはよく効く。

メーカー純正にありがちなフニャ感は全く無く、これならばブレーキホースをサードパーティ製の低膨張タイプに交換しなくてもOKだ。
ただし、このクラスのバイクでは仕方ない事だが、レバーポジションが固定式で有りアジャスト出来ないため、オイラの短めの指ではブレーキが利くポイントが遠すぎて限界フィーリングが掴めない。
これはZETAあたりのブレーキレバーに交換して自分の好みの位置にアジャストすれば解決するはずだ。


リアブレーキもコントロール性がよく、効きそのものにもまったく不満なし。
ちなみに借りた車両は
ABSがついていた。
通常の舗装路でリアをガッと踏んでみればペダルに僅かなキックバックが有り、ABSが仕事をしているのがわかる。
ただし、ぷちツーリングしてみた感じでは、枝や葉っぱ、砂が堕ちているワインディングでのブレーキングでたまにびびっとABSが作動する事はあったが別に無くても困らない程度の事だ。
そしてダート走行用にリアのABSを解除できるようになっているとは言え、わざわざ解除する手間を考えるとはじめから無くても良いと思える。
舗装路でのエマージェンシーでは役に立つ事もあるかもしれないが、重量のあるオンロードバイクと違って、軽量オフロードバイクは
ブレーキング時のピッチングモーションが大きく、その際にフロントを限界まで握り込める人など滅多にいないし、リアがABSでロックを解除してくれたとしてもさほどの恩恵は無い気がするかなぁ。
値段の差がいくらなのかは知らないけどオイラが買うならABSは無い方のモデルで十分だ。
 
 

ポジション
最初にまたがったときはサグ(またがったときにサスペンションが沈む量の事)が大きめな事もあり、少し尻下がりな感じを受けた。
しかし、すぐになれてしまい、違和感なし。
ひとつ駄目なのはちょっと腰を引いただけでタンデムベルトが尻に当たるということ。まあ、これは国内で売っているオフロードバイクのほぼ全てに当てはまるので仕方ないところではあるが。


これ、国内法規で装着が義務づけられているんだけど今時これをつかんで後ろに乗る人なんていない・・・っつーよりも恐ろしくてこんなものだけではタンデムなんて出来ないと思うが。(爆)
法律違反になるので大きな声では言えないがこのベルトはとってしまえば良いだけの事だ。(爆)



足つき性
このバイクは従来の国内向け250ccクラスのオフロードバイクよりはかなりシートが高い。少なくともホンダもそれを自覚しているからこそ、ローシート仕様も併売しているのだろう。
オイラもどんだけシート高いのかなとドキドキしながらまたがってみた・・・・・・・・

・・・・んん???

全然楽勝じゃん。(^_^)v
オイラのブルーサンダー号は輸出用のハイシートに交換してあるのでべらぼーにシートが高い。脚がちょ~ながいオイラをもってしてもバレリーナ状態だ。
しかもケツをずらし気味にしてようやく片足のつま先が着くくらい。最近は少しサスがへたった来たのでもう少しだけ楽になったのだが。
その少しへたったブルーサンダーと比べても全然楽勝だ。まったく問題なし。
それとシート形状がフラットでケツ圧を分散してくれるおかげでこのクラスのオフロードバイクとしては尻が痛くなりにくい。この点はブルーサンダーとは月とすっぽんほどの差がある。(爆)
ただし、コーナーで角乗りをすると逆にとんがったところに座る事になるのでちょっとばかりケツが痛いが。(苦笑)
まあ、ロングツアラーとしての位置づけとしては正しいセッティングだと思う。
 
 

サスペンション
始めにまたがったときはサグが大きく、ふわふわすぎないかと不安になるくらいだったが実際に走ってみると適度にダンパーも効いていて、オフロードバイクとしてのサスペンションの出来映えとしてはかなり優秀だ。
少なくともフラットダート中心の走行ならばサスはかなり良い仕事をしてくれるはずだ。
 
 

居住性その他
振動についてはすでに書いたとおり、通常使用では問題ないが、8000回転以上回すとケツがむずがゆくなる。これは乗り方で対処するしか無いだろう。
そして期待して居たのが
ウインドプロテクション。
フロントカウルにミニスクリーンが付いているのだが、これが実に良い。

60km/時も出せばその効果ははっきりと体感できる。胴体の部分に当たる風がかなり軽減されていて風圧による疲労を軽減してくれそうだ。
高速走行も少ししてみたが、速度が上がるとスクリーンによる整流効果がさらに出るらしく、ヘルメットにあたる風もかなり軽減される。ボディマウントのスクリーンと言う事も有り、法定速度を少し超えても安定性に問題はないし、高速での長距離移動での疲労も少ないはずだ。

ちなみにオイラのブルーサンダー号はファイナルレシオを15%近く落としている事も有り、エンジン回転数が常に高めなのでトップギアでも時速100km/時を維持するのはかなりつらい。(苦笑)
低回転のトルクが無いエンジン特性をカバーするためにファイナルを変えてあるのだが振動もひどいし、エンジンが壊れそうな音がするのだ。(苦笑)
その点、このCRFラリーはノーマルレシオのままでダート走行もこなせそうなので、振動の面でも高速走行がつらくなる事も無いはずだ。

それから、バックミラーの形はあまり好みでは無いかなぁ。

今風の菱形のがついているが視野が微妙に好みでは無い。これなら汎用の丸形の方が断然使いやすい。
まあ、駄目と言うほどの事は無いので不幸にして転倒した際に割れてしまったら次は好みのタイプを買い換えると良いということだな。(´ー`)┌フッ


熱害に関してだが、フロント周りをラリー車特有のカウルが覆っているため、エンジンの熱は通常走行ではほとんど気にならない。
特に右側はカウルとの隙間をエンジン本体が埋めているので右のふくらはぎや足首への熱害は皆無だ。


左側はわずかに開いている隙間からふくらはぎと足首へラジエターを抜けた風が来るが、エンジンがよほど焼けた状態で無い限り意識しないレベルだろう。


通常、この季節にオフロードバイクに乗ると走行時に股を開いて脚を冷やしたくなるほど熱くなるものだが、それにはほど遠いのでライダーへの熱害はうまくコントロールされていると言っていいと思う。

エンジンの前方下部にもカウルが着いているのだが、本物のラリー車ならばこのスペースに車載工具やスペアパーツを入れられるようになっている事が多いが、残念ながらこいつはただのカウルで終わっている。
この辺りはサードパーティから
物入れ付きのカウルが販売されるとロングツーリングでの使い勝手が良くなるはずだ。


ただし、これが結構左右に出っ張っている。気になると声を大にして言うほどでは無いのだが、ダートで中途半端に足を出すとカウルと当たりそうな感じがするのもちょっとどうなのか・・??という点ではある。

左側のサイドゼッケン部分がぷっくりと膨らんでいて、マフラーをガードしている右側とほぼシンメトリーな形状をしているが、左側は当然ダミーで有り、キーを使って開けると中に車載工具が入っている。


ちょっとした小物ならば入るが、中途ハンパな補強用のリブ?のせいで
カッパを入れるのはちょっと厳しい。せいぜい薄手のウインドブレーカーがやっとだろう。
せっかく鍵付きの小物入れを作ってくれたのがちょっと残念な感じではある。せめてこの中にスマートに収納できるセパレートタイプのETCの搭載キットを純正で出してくれるといいのだが。
オイラはブルーサンダーで山に入るときは重たい工具やスペアパーツを振り分けのバッグに入れてシート後方につけている。だが、これだけ張り出しているとちょっとつけにくいかもしれない。
純正の状態でマフラーの熱害の心配が無い上に、左側のホイールへの巻き込みの心配がない点はツーリングバッグの取り付けやすさという点ではかなり評価できるが。
この辺りは流石はホンダといったところか・・・・

個人的には通常のメンテナンスもしやすいし、山の中でパンクしたときに圧倒的に助かるので是非、後付けの
センタースタンドを設定して欲しいと思う。純正が無理ならDRCあたりから出ないものかなぁ・・・


ステップは見た目は安っぽいがワイドタイプになっていてスタンディングでもまったく問題ない。


一応補強も入っているので機能的には通常の林道レベルなら不具合は出ないはずだ。
ただし、ノーマルステップはどのバイクのもそうだが、本気でガレ場やロックセクションを走って、岩にぶつけたら一発でひしゃげそうではあるが、そんなところを攻めるバイクでは無いだろう。(苦笑)

 


トータルでバイク全体をチェックしても機能面で交換したくなるような所はない。交換するとしたら操作系のポジション合わせの意味やドレスアップくらいか?
 
リアフェンダーの上面がフラットでしかも左右に合計4ヶ所の荷掛フックがはじめからあるのは実にいい。


これならばかっこわるいリアキャリアなんてつけなくても荷物を縛り付ける事が出来る。

メーターの上にアクセサリーバーと言う名前のハンドルパイプと同じ太さのステーがある。


ここにはスマホでも専用ナビでもつけてくださいと言う事だ。純正アクセサリーでメーター横につけられるDCソケットが用意されている。
この辺りも旅心をくすぐる仕様である。


左右のブッシュガードがミラーと共締めタイプになっているのもいい。

従来のオフロードバイクではレバーホルダーにつけるものばかりだったが、外した後のボルトが長すぎたりしてかっこわるいのだ。
この手のバイクでは純正のブッシュガードは外してレバーガードをつけたり、サードパーティの小洒落たブッシュガードに交換する事が多い。
この辺りは開発者がオフロードバイク乗りの気持ちをきちんと知っている事がうかがい知れる。


ひとつだけ気になったのがアクセルワイヤーの取り回し。

ブレーキのカップに当たってるのだ。
まあ、これはレバーホルダーの位置をどう調整するかによっても変わる部分なので、少し奥に追い込めばいいだけの話だが、工場の払い出しの状態がこれだとするとちょっとイマイチ感はある。


最後に燃費。
普通に舗装路ばかりだが、市街地、郊外路、ワインディング、少しだけ高速道路という組み合わせて150km程度の走行だが、満タン法で燃費は30km/L近かったようだ。
タンク容量は10Lあるので十分だろう。


あ、それからエアロタイプのタンクキャップはやっぱりすっきりしていていいかも。(^_^)v


以上、ランダムに長々と書いてきたが
結論

今乗っているブルーサンダー号が壊れたら間違いなくCRF250rallyラリーを買う。
通勤用のスクーターが壊れてもきっと買う。(笑)


買った後で自分で交換する部品および付け足すものは下記。

・ブレーキレバー(ポジションをアジャストできるタイプのもの)
・クラッチレバー(ショートタイプ)
・DCソケット
・ETC


さらに使いやすい
ナビをつけるかスマホを使うかすればロングツーリングしようとしては完璧だ。

あとはドレスアップの意味で、フロントスプロケットカバーやステップ、ハンドルなどをサードパーティ製のものに交換するかもしれないが、それはあくまでも見た目で有り、自己満足だけだ。

う~ん。マジで欲しい。
でも、ブルーサンダー号が現役で走れるうちは我慢だな。(´ー`)┌フッ