サーキットでのモータースポーツ撮影。
一般のお客が撮影できる場所は基本的に客席と+α程度の通路などに限定されており、人気の場所は定番化している。
ちなみにオイラがモタスポ撮影を始めたのはまさに10年前。
2006年7月初旬にもてぎで開催されたシルエットカーレースからだ。
梅雨時と言うことも有り、もてぎのS字周辺のスタンドには誰ひとりおらず、土手一面に胸くらいの高さまで成長したセイタカアワダチソウが生い茂っていてそれを掻き分けながら柵沿いを移動したものだ。
今ではすっかり整備されて柵沿いにはアマチュアカメラマンがずらりと並ぶことも珍しくないし、そこにいすを置いて観戦している人も居るくらいだ。超望遠レンズを使う人も珍しくなくなった。
別に人と競うために写真を撮るわけでは無いのだが、ずらりと並んでおおぜいのカメラマンが撮影していると、やはり誰もが撮れるような絵とは違うものを撮りたいと思うのは自然な流れだろう。
そこで撮影ポイントをいろいろ探したり、同じ場所から撮るにしても撮り方を工夫することになる。
撮影ポイントは発想の豊かさとセンスが勝負となる。残念ながらオイラの苦手な分野だ。バキッ!!(-_-)=○()゚O゚)アウッ!
だが撮り方ならばオイラにもいろいろ工夫の余地はある。いわゆるニコパチ的な撮り方では同じような道具を使っていればどこかで見たような絵にしかならない。そこで違いを出してよりかっこいい「作品」にしようと思うと、焦点距離や構図で違いを求めるのと、あとは露出。そしてモタスポの場合はシャッター速度をいろいろ模索することになる。
そんなわけで多用するのはスローシャッター撮影である。シャッター速度を遅くして撮影すると躍動感を演出できるからだ。
初めてモタスポを撮影したときからずっと追い求めているテーマでもある。
いわゆる流し撮りだがSSを遅くすればするほど撮影技術としての難易度が上がる。遅いSS設定でシャッターを切ることは出来ても、流したい部分と止めたい部分をきちんと撮るのはかなり難しい。
オイラはそういう意味で技術的難易度が高い撮り方が出来た、出来ないという観点で撮影を楽しんできた節がある。(^_^;
自分で芸術的センスが無いことがわかっている以上、撮影技術を少しでも磨くことで差別化を図ろうと無意識のうちに考えているのかもしれない。(苦笑)
もっっとも最近はむやみに遅いSSで撮ると、撮れたときの自己満足度は高いが、絵としては綺麗では無いと思うようになり、シチュエーションに応じて自分なりにいいと思えるSSでの撮影に落ち着いてきた。
2輪のロードレースなら、1/40~1/160くらいかな。4輪のサーキットレースの時はもう少し遅い方にシフトして、1/10~1/160くらい。
どちらにしても状況による。
まあ、絵として仕上げるためにむやみなスローシャッターはあまり使わなくなったものの、撮影技術としてはどこまでも極めたいとは思って居る。だから撮影の合間に練習をかねて極端に遅いSSでも撮るようにしている。それこそ同じ場所から同じ方を向いて撮っていたとしても、1/400で撮った絵と1/20で撮った絵はまるで違うし、誰でも出来ることではない。
前述のようにその部分にアイデンティティを求めているのかもしれない。(苦笑)
もちろん周りの風景をうまく使ったカットも撮るように心がけている。しかし、努力をしては居るのだがなかなか気づかないことも多い(苦笑)
そんな訳で遅いシャッター速度で撮影することも多いのだが、特に陽射しが強い時期の晴天では光量が多すぎて、シャッター速度を落としきれないことが悩ましい。そこで使い始めたのがNDフィルターだ。
要するにレンズにつけるサングラスだ。(^_^;
レンズの最大絞りでも追いつかないときにはNDフィルターで光量を制限してバランスをとる。
昔は知識不足で、NDを入れると暗くなってしまってオートフォーカスが動かなくなると思い込んでいたが基本的に関係ないようだ。少なくともND8(絞り3段分暗くなる)程度ならば問題なくオートフォーカスは作動する。
風景写真などでも人の流れを消すためとか、水の流れに躍動感を出すために使うようだ。(オイラはそういう撮影をしたことが無いのでよくわからないが。)
夜間や曇天の時以外は、たいていNDをつけっぱなしである。最近のカメラは高感度性能があがり使いやすくなってきたので、ISO感度で800位までなら全くためらいなく使えるので速いSSで撮影したいときはISO感度を上げれば済むのだ。このあたりがデジタルの便利なところ。
かつてはスローシャッターの限界はレンズの最大絞りで決まってしまっていた。逆の言い方をすると遅いシャッタースピードで撮影するときにはいつも最大絞り付近を使って居たと言うことだ。
しかし、レンズの描写は全開放や最大絞り付近ではあまりよろしくない。それに絞っていくとイメージセンサーについているゴミが移りやすいし、金網越しの撮影では網を消しきれなくなることもある。その点NDフィルターをつけてやればある程度は絞りを開けてやることも出来るので被写界深度も多少は浅く出来るし、レンズの性能的にもおいしいところを使えるのだ。
そんなわけで最近はほとんどの場合はND8フィルタをつけっぱなしなのだが、真夏のドピーカンの時や極端なスローシャッターを使いたいときにはND8でも物足りなくなってきた。(^_^;
前置きが長くなったが、そういう流れでこいつを買ってみた。
ND16フィルターだ。絞りで4段分光量を落とせる。これでさらに遅いSSでの撮影をして腕を磨こうと思う。(^_^)v