開幕戦のカタールGP。
このレースはダイジェストでみただけなのであまり印象はない。
かつてケーシーがドカティで活躍していたときは、このコースでのドカのトップスピードの速さが印象的だったが・・・・
昨シーズンはV・ロッシがドカティに移籍した最初のシーズンと言うことでかなり注目を集めたが、結局シーズンを通して、あまりぱっとしたパフォーマンスを披露することはなかった。そして今シーズンのドカのトップスピードがどうなのかというと、それ以前にほとんどテレビに映らないので判別不能でもある。
公式HPのデータを見る限り、かつてのアドバンテージはないようだ。
そして、先週のヘレスと今週のエストリルでのレースは、公式HPのビデオ配信でちゃんと見た。
その範囲で個人的な感想を書き飛ばしてみよう。
今年から1000ccになり、各社のパワー優劣が気になるところだが、トップスピードはわずかにホンダ>ヤマハという感じ。※ドカは不明。。。
そして、1000ccになった変化を最も感じるのはパワースライドするシーンが増えたと言うこと。
以前は、アクセルを馬鹿開けしても電子制御が勝手に出力を制御してくれていたらしく、パワースライドするシーンは多くなかった。だから、転倒と言えば、フロントをこじった時のボテゴケばかりだった。
レースではコーナーをリアタイヤから先に立ち上がってくるんじゃないかというくらいのパワースライドが多くみられるようになった。
今年は予選などでもリアからのスライド、転倒というシーンも見かける様になった。排気量が上がった最初の年と言うこともあり、電子制御システムの熟成がパワー特性に追いついていないのだろう。
個人的には喜ばしいと思う。
ライダーのコントロール能力が問われるため技量の差が出やすく、みていてもエキサイティングだからだ。
エストリルで言えば、最終コーナーのケーシーの走りがまさにそうだった。フロントがクリッピング(というか完全にゼブラに乗っていたけど)についた瞬間にリアが大きくスライドをはじめるのだが、ケーシーは滑り出したタイヤを絶妙にコントロールして加速につなげていた。
それから久しぶりにみた思いがしたのは、終盤ホルヘがやっていた「ウイリーすることでリアのスライドを止める」と言うこと。
その昔、ケビン・シュワンツがよくやっていたが近年はほとんどみることがなかった。
見る立場からの楽しさだけで言わせてもらえば、1000cc化はいい方向に行っているように思える。
レース全体としては、少なくともポルトガルに関して言えば、ケーシーのマシンは切り返しなどでマシンの挙動というか揺り戻しが多く、スムーズな動きが出来ておらず、タイヤに負担をかけているように見えた。
ホルヘの方がスムーズなマシン挙動をしており、タイヤに負担をかけず、徐々に追い上げていた印象だ。
さらに、一番スムーズだったダニがホルヘとともに終盤絡んできて、三つどもえのトップ争いがみられると期待していたのだが、その意味では期待はずれ。
まあ、ホルヘもいっぱいいっぱいだったみたいではある。ダニに関してはよくわからない。
良い言い方をするならば、緊張感のあるレースだった。本音で言えば、実に退屈でつまらないレースでもあった。
それにしてもダニの走りにはもうオーラを感じないなぁ。ただひたすらスムーズなライディングなんて、まさしくパワーのない小排気量の乗り方そのものだ。ダニがこれまで通用して来たのは、800ccという排気量と、電子制御デバイスのおかげだったと言ってしまうと言い過ぎだろうか?
いずれにしても今年はケーシーとホルヘの一騎打ちになりそうだ。
あとはときおり単発でいい走りを見せる、ダニやスピーズ、ドビッチあたりがどれだけ上位に絡むかというところだろう。
ロッシやヘイデンが上位に食い込むのは相当むずかしいだろう。
そして夏を迎える頃にはロッシを中心にストーブリーグがいろいろ賑やかになりそうだ。
まあ、いろいろ興味は尽きないのだが、毎回とは言わないが、今回のMoto2クラスのようながちバトルを最高峰クラスでみたいと思うのはオイラだけではあるまい。
スズキも来年は復活するらしいから、また盛り上がって欲しいなぁ。
CRTライダーたちは「賑やかし」になれこそすれ、純粋なレースとしては邪魔な存在以外の何物でも無いモンなぁ。
このCTRのマシンとライダーのレベルをどうやって引き上げるかが、今後の最高峰クラスのレースのおもしろさを左右すると言ってもいいと思う。
今も昔もワークスしかトップ争いをすることは出来ないのが現実とは言え、実際はワークスマシンに乗って居てさえ、トップに絡めるのは「二人+α」である。
ワークス全員がトップグループを形成するくらいに実力が拮抗すると見ている方としては、最高におもしろいんだがなぁ。。。
ま、そこまでは望まないまでも、せめてレース中にもう少し抜きつ抜かれつの展開を期待したいものだ。