国連気候変動サミットで鳩山さんが
温暖化ガス25%削減
を宣言してしまった。
先進国だか、周辺国だかの足並みがそろう前提でという但し書きがあったみたいだが、どっちにしても国際社会に対して声高に宣言したことの意味は大きい。
国際社会に対する約束
とも言えるからだ。
これを反古にするとまたまた日本が軽んじられる原因にもなりかねない。
とは言え、25%削減という目標は相当に重い。
日本経済の成長を支えてきた産業界にとって、おいそれと達成の見通しを立てられる数値ではない。
もちろん、ブッシュ時代まで甘やかされ続けてきたアメリカの自動車メーカーが技術的に立ち後れ、今の状況になっているのは周知の事実だ。
大昔の
マスキー法
がいい例だが、時として無茶な法規制が飛躍的な技術の進歩やシステムの再構築を促すカンフル剤になることもあり得る。
今回の25%削減の件も国内の産業界は真摯に受け止めて取り組む必要があるだろう。
もちろん、ハードを生み出す、石油産業や自動車、鉄鋼業界などだけの問題ではない。社会全体がそれを実現するために協力しない限り、実現不可能な命題である。
その昔、ソニーのウォークマン開発者から聞いた話がある。
ソニー創始者であり、自らもアイデアあふれる技術者だった井深氏が新型ウォークマンの試作機を見た時のこと。
井深氏はおもむろに、ウォークマンを水を張った容器に水没させてしまったそうである。
唖然としている技術者たちに、ウォークマンから立ち上る泡をさして、
空気が出ると言うことはまだ無駄な隙間があるって言うことだ。
もっと小さくできるはずだ。
と檄を飛ばしたそうだ。
産業界を始め、社会全体で協力してよりよい未来を目指していくのはいいが、先陣を切ったハトがどこかに飛んで逃げて行かないことを切に願う。