本日の第2弾「バイ・ワイヤー」 | 木馬の四方山ばなし

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最近、まだネタがだぶつき気味なので本日の第2弾である。


「バイ・ワイヤー」


何のことが判るだろうか?

飛行機好き、クルマ好きならぴんと来るかも知れない。


Buy wire ではない。

最近、中国はwireも含めて金属を買いあさっているらしいが。(笑)


正解は、by wire である。


「フライ・バイ・ワイヤー」


などという言い方をする。


航空機での採用は既にかなりの実績があるが、要するに機械的な連結ではなく、電気式(電線=ワイヤー)で作動させる装置の操作システム全般を総称して、

○○○・バイ・ワイヤー

と言うのである。


最近は徐々にクルマやバイクにも取り入れられつつある。


ドライブ・バイ・ワイヤー
ブレーキ・バイ・ワイヤー


メリットは、


・ケーブルやロッドなどの取り回しのようにレイアウトに制限がない。また、軽量化も可能となる。
・電気信号で伝達するので機械的な伝達のように摩擦による抵抗が無く、軽い操作が可能となる。
・途中に変換マップを入れることで1対1の動きだけでなく、レシオを変化されることが出来、セッティングの幅が広がる。


デメリットは、
・機械的な連結と違い、ぱっと見て不具合がわかりにくい。
・電気的なフェイルに対するセイフティ機構が必要


4輪では、アクセルからキャブ(あるいはスロットルボディ)をケーブルでつなぐのではなく、電気信号のやり取りだけでコントロールするシステムは、既に市販車で実用化されている。


最近は、油圧式に代わり、ブレーキも電気式が研究されている。


いずれの場合もキモは「安全性」であり、「フェイルセイフ」となる。


航空機の場合は二重の操作系があったり、さまざまな破壊検査の裏付けを基に実用化されてきたが、航空機よりも遙かに安い値段でしかも大量に作り出す、4輪車において、同じように安全を保証するのは並大抵のことではない。


たとえば、クルマのアクセルがバイ・ワイヤーになった場合。


制御システムのエラー(あるいはプログラムのバグでもいい)が起きたときに制御不能になることは万に一つもあってはならないことである。
断線などに対するフェイルセイフもマストで必要となる。


「走らない」ならともかく、アクセルが開きっぱなしになって暴走するのは最悪の事象だ。


同様のことがブレーキにもいえる。
前述の電気ブレーキなどは、ABS(アンチロックブレーキシステム)やトラクションコントロール、コーナリング時の姿勢制御(トヨタでは、VSC=ビークル・スタビリティ・コントロール)などに応用するのが油圧式よりも遙かにたやすい。


主に応答速度と配管と配索の難易度の差だとσ(^_^;は理解している。


くわえて、いわゆるハイブリッドなどの電気自動車では、ブレーキでの熱エネルギーを電気エネルギーに変換して再利用するのに適している。(回生ブレーキといい、一部のハイブリッドでは確か既に採用されていたはず。)


但し、ステアリングだろうが、アクセルだろうが、そのシステムに対する信頼性の点が一番重要な部分であり、難しい部分である。


たとえば、電気信号だけで操作しているアクセル、ステアリング、ブレーキの場合、電気系統が何らかの原因でフェイルしたらどうなるか?


考えただけでも恐ろしい。


σ(^_^;は自分の乗るクルマだけは当分の間はアナログなものを選び続けるだろう。


例え不具合の発生確率が天文学的な数値の逆数にまで小さくなったとしても、選択肢としてコンベンショナルなシステムが残っているうちは、極力手を出したくない。


くどいようだが、小心者なのである。(爆)