2024年6月29日(土)サントリーホール
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77
ロッシーニ:歌劇「ブルスキーノ氏」序曲
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番 嬰ハ短調 作品129
指揮:井上道義
ヴァイオリン:服部百音
NHK交響楽団
いや〜〜〜〜〜!服部百音がバケモンすぎた。
ものすごい演奏。
彼女もまた自分の感情を隠さず丸出しにするタイプの子なので、それがまた人間らしくて愛らしくて思い出しながらまた泣いてるw
井上さんがN響と最後の演奏会とのことで、しかもショスタコの1番2番を同時にやると言う変態的なプログラムで、しかも服部百音で、これは行かないといけないと思いつつ、先行予約の時点でもうイマイチの席しかなく、これは一般で買うかと思ったら一瞬で売り切れになっていて諦めていた。
ところが、たまたまぴあだかイープラスを見ていたら、当日引換券が出たとのことでよくわからんがそれをゲットし会場へ向かった。1階の前の方で悪くない席だった。まあ、とにかくコンサートに行けてよかった。
1番の第1楽章は私だけか?オケとヴァイオリンが合っていないと感じた。
あと全体的にヴァイオリンの音が小さ過ぎたのか、オケが大き過ぎたのかわからんが、1階の結構前の席だったが音がいい塩梅には聞こえなかった。(端の方だからかな)
しかしそれを除いても百音ちゃんの技術が凄過ぎて、集中力が凄過ぎて、もう圧巻だった。
この子は生まれも育ちもお嬢様だろうに感情むき出しでショスタコと向き合って壮絶な演奏、、、もう涙が止まらなかった。
百音ちゃんはショスタコほんとに似合うなぁ〜
まったくぐうの音も出ない演奏だった。
1番が終わった後は放心状態なのか、お辞儀をするとそのまま一人で裏へ行ってしまい、その間に井上さんはオケメンバーを楽器別に立たせていたが、途中で百音ちゃんが帰ってきてもその様子に気づかず客席にお辞儀をするなどのハプニング。
よほど精魂尽き果ててしまったんだな、これ2番大丈夫だろうか?と心配に。
休憩挟んでロッシーニは初めて聴いた曲だがヴァイオリンの弓で楽譜を叩くパフォーマンスは面白かった。
そしてN響はこういう曲が得意ですね。すごくいい演奏だった。
で、メインの2番。百音ちゃんは黒いドレスにお色直し。
1番よりも2番の方が圧倒的によかった。
1番の時に感じたオケとソロの音のバランスの悪さも解消された。
全体を通してとにかく魂というか気合いがひしひしと感じられる演奏で、彼女の周りだけ張り詰めた空気感を感じるほどだった。
カデンツァは1音1音しっかり魂がこもっていて壮絶。
オケもめちゃめちゃよかった。
終演後は当たり前に拍手が止まず、百音ちゃんだけが出てきた。
泣いてた。泣いちゃうよね〜〜〜。私も泣いた。
井上さんは出てこず。
自分のラストコンサートなのに、どういうことだろう?
自分は百音ちゃんを仕上げることができたので、自分ではなく自分の作品である百音ちゃんだけに行かせたとかそういうこと???深読みしすぎだろうか。
まあいいとして、とにかく素晴らしい演奏で。
女版マツーエフみたいなことするなぁと思いつつ、まだ24歳。これからも多いに期待したいと思った。
海外でも活躍して欲しい。