2023年5月19日(金)紀尾井ホール
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ(第32 [40]番)変ロ長調 K.454
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
バッハ:シャコンヌ〜無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調 op.94a
【アンコール】
ミルシテイン:パガニーニアーナ
河井勇人(ヴァイオリン)
清水和音(ピアノ)
さて、今日は全然知らない若手ヴァイオリニスト・まだ21歳くらいの方のリサイタル。プロコの2番が聞きたく紀尾井へ。まったく系統の違う演目を奏でる。
紀尾井の明日への扉とか、東文の上野 de クラシックとか、若手をフューチャーするイベントはいいですね。
雨だったので久々に電車で紀尾井へ行ったら、ニューオータニと旧アカプリの間の紀尾井町通りの桜並木がボウボウで傘が枝にあたりまくり。
千代田区、、、大丈夫か?
コロナ禍では渋谷区も街路樹まわりに雑草が生えまくって手に負えない状況に成長しておりびっくりしたが、今日はそれを思い出した。剪定師はテレワークではあるまいし、区はしっかり管理すべき。
街の状況はいいとして、本題へ戻る。
お手並み拝見のモツからっして、とてもいい音色だと思った。
とてもやわらかくモツに最適。心地よい演奏で以降も期待大。
ラヴェルはちゃんとラヴェルの音。全体を通してとても楽しめた。
第3楽章を聴いて思ったのが、フィリップグラスはこの曲の影響を相当に受けているのではないかということ。
畳みかけるように同じメロディを繰り返す部分は、ヴィオリンコンチェルトの第3楽章に似ている気がした。
まぁいいとして、河井さんの正確な演奏に加え、清水さんがやはりいい。清水さんもそれぞれまったく異なるジャンルのソナタを別人のように弾き分けており、素晴らしかった。
清水さんは最後のカーテンコールには出てこず、河井さんのみをたたえていた形であくまで黒子に徹していたようだ。
河井さんの演奏は、休憩後のシャコンヌ、これだけ今日はそうでもなかった。
この曲は、悟りを開くくらいの感じじゃないと感動できない。まだ若いので仕方ないかな。
しかしバッハは凄いな。この曲以上の無伴奏はない気がする。
ドビュは予習しても頭に入らなかったようで、さきほど初めて聴いたような感想w
さて、メインのプロコ。
こちら大変素晴らしかった。
彼の技術や情緒はプロコ前に把握した。とても才能高い演奏家であるのは間違いない。
本日の演目はプロコ以外そこまで知らない曲なのでプロコがよければ間違いないと思った。
とってもよかった。まだ二十歳、もしくは21歳とは思えぬ技量。
そしてやはりプロコのこの曲、何よりも美しい。チャイコのヴァイオリンコンチェルトより美しいのではないかとすら思う。
まったく不満のない演奏だった。
まだとても若いので、情緒はこれからイヤでもついてくるだろう。
アンコールも超絶技巧。若い時こそどんどん超絶技巧を弾きたいし、聴いて欲しいのがわかる。聞き手も楽しい。
今後さらに楽しみな演奏家だ。