N響 下野 ヴァインベルク12 グルズマン タコ1 | クラシックコンサート鑑賞日記

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コンサートの余韻を楽しむブログ

2019年4月25日㈭サントリホール
 
ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲 第1番
ヴァインベルク/交響曲 第12番 「ショスタコーヴィチの思い出に」
 
指揮 : 下野竜也
ヴァイオリン : ワディム ・ グルズマン
 
 
 
 
ブラボー!
大変素晴らしかった!
 
今日の演目はかなり楽しみにしていた。
ヴァインベルクの実演は、リサイタルを含めまだ数回だが、ひたすら暗く重い作風は自分好みだ。
 
2年前にクレーメルが弾いたヴァインベルクの無伴奏チェロのための24の前奏曲はとりわけ壮絶な世界観で、聴き終わったあとにグッタリした記憶がある。
演奏だけではおそらく脱落者が出るとでも思ったのか(笑)、ステージには大きなスライドが用意され、リトアニア人の写真家の作品が次々に投影された。
 
本日の12番、アマゾンの商品説明によると、ヴァインベルクはこの第12番以前の交響曲は合唱付きだったり室内オケのためだったりと、フルオーケストラのための曲は書いていなかったらしい。
ショスタコの死をきっかけにこの純交響曲をつくったという解説があった。
 
この曲ができたのは、ショスタコの死の翌年。
ショスタコーヴィチをリスペクトしているだけあり、作風がかなり似ている。
 
 
本日は、前半のコンチェルトが、グルズマンは素晴らしかったのだけど、オケがいまいち面白くなかった。
そのため、後半もこんな感じかなとさして期待していなかったのだが、冒頭から掴みはOK、ラストまで全く気の抜けない渾身の演奏だった。 
 
第3楽章の特にティンパニーのソロは、楽しかったショスタコとの日々を思い出しているような、もう戻らない過去を表現しているような気がしてうるっとしてしまった。
 
最後の消えゆくハープとチェレスタに加えてコンバスの汽笛のような超低音が、全部なくなったというような、喪失感を出していた。
 
本日、金管もよく鳴っており、木管のそれぞれのソロも素晴らしく、大変満足だった。
 
なんといっても、この世界観を作り上げた下野さんに大きな拍手を送りたい。
 
コンチェルトに関しては、今のところ庄司さんを超える人はいまだ現れず。
 
本日、好きな席は売り切れ。サントリーホールではなかなか良い席が買えない。満席かと思ったらガラガラ。要するに会員が来なかったということか。
その場合、その席は非会員が当日買うことはできるのだろうか?
とてももったいない。