ギル・シャハム ヴァイオリン・リサイタル ピアノ 江口玲 | クラシックコンサート鑑賞日記

クラシックコンサート鑑賞日記

コンサートの余韻を楽しむブログ

2018年6月24日(日)紀尾井ホール

 

クライスラー:プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ 

S.ウィーラー:ヴァイオリン・ソナタ第2番「歌うトルコ人」 

ドルマン  :ヴァイオリン・ソナタ第3番「ニグン」

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調 BWV1006 

フランク :ヴァイオリン・ソナタ イ長調

【アンコール】

サラサーテ:カルメン幻想曲より

ボルコム:グレイスフル・ゴースト・ラグ

 

 

 

音が信じられないくらい綺麗。

技巧も素晴らしい!

歌い方も、極上の表現力。

 

2年前にBRSOとベートーヴェンのコンチェルトを聴いて、この世のものとは思えないほど美しい音だと思った。

昨年ボストン響とのチャイコフスキーを聴いて、やはり、信じられないくらい美しい音だと思った。

 

ただ、この時、休符というか、音に切れ目がほとんどなかったため、美しい音に反して少し自分の好みと違う不満もあった。

 

本日は、その時の演奏と同じだった。

弓をヴァイオリンから離さない。音に終わりがない。

あとテンポがどの曲もとても早かった。

もう少し、ゆったりと聴きたかった。

 

でも、ヴァイオリンの音、そして演奏は極上の美しさ。

ヴァイオリンに弓をのせると、たちまちホールが最上の音に包まれた。

 

超絶技巧も凄かった。

人間業とは思えないような技巧をニコニコしながら弾いていた。

 

はじめのクライスラーは本当に速かった。

速すぎた気がする。

 

ウィーラーは全く知らない曲。

プロコがウィーラーに変わってしまった。
スコット・ウィーラーという作曲家は全く知らない。

さらに、このヴァイオリン・ソナタ第二番が2017年の作品ということで、予習しようにも音源が全くない。

でも、ウィーラーがどういう曲を書く人なのかは知っておきたかったので、バイオリン・ソナタ第一番を聞いてみた。2012年の作品。

なるほど、個性的な作品。
予測不能なメロディが面白い。
 

本番の2番もかなり斬新で面白い曲だった。

全く飽きずに聴くことができた。

次のドルマンといい、こうした新しい曲を演奏してくれるのは嬉しい。

ドルマンのニグンは、シャハム兄妹のために書かれた曲。

民俗性の強い曲。

しょっぱなから、すごい世界観。

これは凄い。

演奏後、怒涛のブラヴォーがホールを埋め尽くした。

 

後半のバッハは、やはり速すぎたように思う。。。

 

フランクの超名曲は、うっとり。

シャハムが出す音色の美しさが本当に超一級品。

今まで聴いてきたヴァイオリンの演奏で、ナンバーワンだと思う。

 

アンコールのカルメンは超絶技巧が凄かった。

2曲目は、おそらくアンコールではおなじみの曲のようだ。

 

 

本日はどうにもテンポが早いのと、音に切れ目がないために何となく自分としてはパーフェクトに感激はできなかった。何度もしつこいが、音色は世界一。

 

あと、ピアノの江口さんの演奏が素晴らしかった!