過ごしやすい秋風が吹き少し涼しくなると、子ども達はすぐに体調を壊します。
大人は自己管理ができますが、子どもは自分では体調管理ができません。
大人が配慮してあげなければなりません。
その子のことを一番に考えて配慮できるのは、
お医者さんでも看護師さんでも保育士でもありません。
親御さんやご家族です。
こんな例がありました。
1歳になったばかりのAちゃん。
色々な子ども達と接している保育士から見ると、ゆっくり成長をしているお子さんでした。
また、体格も少し小さめ。
体力も1歳にしてはまだまだこれからかな??といった感じなお子さんでした。
園でも食べ物や体調で発疹が出たりと、丈夫なお子さんではなさそうだと職員間でも話をしていた矢先。
ある日のこと。
『昨夜、熱が出たので解熱剤を入れて下げました。
朝は36.5度だったけれど、熱が出てしまうと困るので
朝も解熱剤を入れて登園しました。』
と言って登園
『体力がまだないAちゃんには少し無理では?』『大事を取った方が良いのでは?』との問いかけにも
頑張り屋のお母さんはお仕事へ。
やはり、Aちゃんのご機嫌は最悪。
そして熱発 → お迎え要請 。
こんなやり取りを繰り返して数日後。
やっぱり
小さな身体は悲鳴を上げてしまいました。
結局大病に侵され長期入院へ。
命も危ぶまれるような事態になり、一番悲しんだのはご家族。
そして2、3日後
Aちゃんと同じような症状の子どもが・・・
バタバタと・・・
ご父兄の中には、集団生活では病気をもらってしまうことは理解していても、
やはり自分のお子さんが感染してしまうと納得できない方も。
その後
園内でもAちゃんの病気はご父兄の方々を通じて広まってしまい
『こんなことなら、大事を取れば良かった
どんなにAちゃんが辛かったかと思うと・・・
感染してしまったお友達に悪いことをしてしまった・・・』と涙ながらに
お母さんは語ってくれました。
もう何年も前の出来事ですが、
これを機に声なき乳幼児の気持ちにより一層寄り添うようにしています。
これは、まだまだおしゃべりができない第1子に多い事例です。
「子ども」というものがどんな生き物なのか、親になったばかりのお母さんお父さんには
なかなか分かってもらえないのが現状。
でも、「痛い」「かゆい」「だるい」・・・という辛さを一番にわかってもらいたいのは親御さんです。
いつもは楽しい保育園。
でも、本調子でない時のガヤガヤや賑やかな保育園は、病気あがりの子にはとても不快な場所でしかないことでしょう。
保育士は医師ではありません。
病気の診断はできません。
医師には登園可能と診断されたかもしれません。
お子さんに体調や気分を聞きましたか?考えましたか?
保育士は子どもが何を言いたいのかを毎日毎日考え、寄り添って生活しています。
そんな保育士の助言に耳を少し傾けていただけると嬉しいです。
ご家庭と保育園とで一緒に子どもを守っていけたら嬉しいです。
モコは働くお母さんやお父さんの味方でいたいからこそ、お仕事も子育ても頑張ってもらいたいからこそのお願いです。