昨日、お客さんから「アイルランドってどんなところですか?」と訊かれ、今度写真見せるよ〜という話で盛り上がりまして。さっそく、クローゼットを漁って写真を出してきました。
私がかの国に興味を持ったのは、このアルバムがきっかけ。
小学校6年生の終わり、卒業祝いがてら、親か祖母に買ってもらったのだと記憶しています。
ジャケットの解説内でも作曲者さんが述べていますが、ケルトアレンジは元の楽曲に驚くほどフィットして、ファンタジーの世界が地に降りてきたような、不思議な感激をもたらす名盤になっています。
中のジャケットの写真はとても幻想的で、FFの世界観に極めて近く、なにこれ、現実にこんなFFみたいな場所が本当にあるの?いつか絶対行ってみたいな…✨✨と少女の私は夢を膨らませました。
そしてそこから10年近く経ち、大学4年生の終わりに、私はアルバイト代を貯め、夢を叶えます。
時は2003年3月。スマホはない時代で、まだデジカメも持っておらず、フィルムカメラと大量の替えフィルムをバックパックに詰めて、出国しました。
帰国後バタバタして、写真の半分は未整理でどこかにやってしまったけど、半分はちゃんとアルバムに整理していた。
私が憧れた世界が、目の前にありました。
田舎の自然ゆたかな国立公園を、たった1人で歩きました。日本から持ってきたCDを聴きながら。通り雨が降り、私しかいない公園。
それはとてもとても優しい時間で、ああ、私はいま妖精の国にいる……と本気で思えて、、、
子供の頃の私と、少し大きくなった私、2人の自分がいました。
あんなに優しい雨は、もう2度と体験できないだろうな、と思います。
ゲームはバーチャルな世界のものゆえ、これにまつわる体験をすべて虚構のものと考える人は、一定数いるでしょう。
でも、私の体験は、とてもリアルです。
ゲームの中で出会った登場人物と、ストーリーと、世界観。それに憧れた時間、思いを馳せた時間。
そして、それと地続きであった、アイルランド。(FFの舞台は架空の世界のため、イメージの中の話です)
私の体験は私だけのものだったから、友達と行くのではなく、1人で行きました。私に会いに行ったのかもしれません。
英語はそんなに出来なかったけど、向こうの人はみんな親切で、私を歓迎してくれて(黒髪の若いアジア人はとてもモテます 笑)、FF味以外にもたくさんの思い出ができました😊 パブでギネスを飲みながらお喋りしたり、ギターを弾かせてもらったり。
20年近く経った今も、ここで見たもの、聞いたもの、感じたものは、私を引っ張り続けて、導いています。
優しい世界、優しい時間。人生がまるごとそうであれと。
うちのお店を、居心地が良いと言ってくれる人は多いのですが、きっと、それはわたしの祈りであり、願いのエネルギーなんです。
内的な体験を、どういう場でするのか。
それが進化し続けているだけで、バーチャルな世界は、ただの虚構ではないのです。
12歳の少女が見た夢、憧れが、嘘ではないと言い続けるためにも、わたしは、自分を生き続けます。