私がこの文言を初めて聞いたのは、中学生〜高校生の時。
当時は演劇部に所属していたのですが、鴻上尚史さんの戯曲によく出てきていたんですね。
鴻上さんの書く戯曲は、精神病や精神世界についての際どい内容の話が多かったんですが、中2病現役当時(笑)の自分に、すごく沁み入るものがありました。
で、今更改めて思うんだけど、スピリチュアルの世界ってガチこれなんですよ…。
『事実は存在しない。ただ解釈だけが存在する』
もちろん理科的にというか、現象的には『事実は存在します』。当たり前です。
でも人間って、心の目でそれを見て、認識してるので、解釈次第で、どうとでも見えてしまうのです。
ある出来事が、その人に与えるインパクトというのは、個人個人でじつは全く違います。
たとえば、会社が倒産した、なんていうと、一般的には悪いことなんですけど、それによって、その経営者がどんな心象風景を見たか?
そのみた景色によって、「倒産」という事実を捉える見方は、180度違うものとなるでしょう。
スピリチュアルカウンセラーとか占い師というのは、そこの「個々の心象」を扱う仕事なので、一般的なイメージや常識でものを考えてはいけないと思っています。1人1人の心象に寄り添わなければ、その人の見ている景色、これから見るだろう景色について、適切なアドバイスはできません。
この、事実と心象、個々の世界観と一般常識を区別できていない人はかなり多いですが、タロットや占星術をやる上では、この視点がかなり重要です。
たとえばタワー(塔)が出たら悪いことが起こる、などとカードの表面的な意味だけで端的に物事を占ってしまう人は、その辺が理解できていないと言えます。
タワーが出た場合は、タワーのエネルギーをその人が体験する、ということになります。タワーの本質は「今まで信じていた世界が崩れる」ことであって、それが悪いこととは限らないんです。ただ、エネルギーの性質上、びっくりすることは多いと思いますが。
「心象」すなわち「解釈」を読み解くのが占いです。占い師が出来るのは、その解釈から演繹的に導かれる「起こりうるだろう事実」を推測すること、そこまでです。
タロットのシンボル(描いてあるいろんな絵や記号)と、占星術の星座の分類というのは、そういったものを読み解く、パズルや連想ゲームのようなものだと思ってください。
この連想ゲームをうまくやるには、何事も人生経験が大事。世の中を知らないと、そのエネルギーの本質や、展開していく事実が見通せないです。なんでも体験すること。つまりふつうに一生懸命生きることが、いい占い師になる秘訣です。