ほんとは毎回レポをあげる方が自分も勉強になるのですが、話すと満足してしまうところがありますね
水曜は、お久しぶりの同業者さんがいらっしゃることになっていたので、彼女が使っているウェイト版タロット(私も以前仕事に使っていました)との比較〜という感じで、トートタロットを眺めてみました。
ウェイト版は、トートタロットの作者(アレイスター・クロウリー)と同じ魔術結社にいたウェイトさんという方が作ったタロットです。
78枚の構成はほぼ同じで、基本的には同じように使えるし、カバラに基づいて作られている点では同じなのですが、込められているエネルギーは別物で、いろんなところでちょっとずつ違う点があります。
中でも、パッと見てわかるのは、コートカード(人物カード)の構成の違いです。
King・Queen・Knight・Page(騎士見習い)
の4種類。
同じ、カップのコートカードで比較してみますが、トートタロットはこう
これらは、生命の樹でのポジション的な対応は、上のウェイトと同じになります。
トートのKnightとウェイトのKingは、2番のセフィラ、コクマー(ホクマー)に対応
Queenは共通で、3番のセフィラ、ビナーに対応
トートのPrinceとウェイトのKnightは、6番のセフィラ、ティファレートに対応
トートのPrincess、ウェイトのPageは10番のセフィラ、マルクトに対応
……ということです。生命の樹を知らない方にはなんのこっちゃという感じだと思いますが…
なぜ実質キングが、トートタロットではナイトになってるのか? というのも理由があります。その辺は講座でもお茶会でもちょくちょくお話ししているのですが…
とりあえずここでは、ナイト/ペイジ、プリンス/プリンセスのことを書こうかな。
ウェイトでは、ナイト・ペイジは、騎士と騎士見習いですから、ほんのりペイジが丁稚っぽいというか、地位に差がありそうな感じがあります。実際ペイジはフレッシュマンとか、新米とか、若者に当てて読んだりもします。
それが、トートではプリンス/プリンセスになっている。この2人は双子にして、ナイト・クイーンの子供になります。セフィラの場所の違いはありますが、地位に差はありません。
これは創造原理において、王国は娘(女性)に帰属するという考えに基づいていて、現象化(すなわちマルクト、王国)は娘が体現するということなのですね。
ペイジもマルクトですが、これを新米、フレッシュマンという発想があるところからしても、どうしてもここからナイトに昇格して、キングを目指すのかな〜みたいな、上に登っていく出世物語が彷彿されます。
ですが、ここの対応がプリンス/プリンセスであるトートタロットでは、少なくともこの間にはそういった出世ルートは存在せず、ただの役割の違いということになります。プリンスはあくまで、プリンセスのところまでキング・クイーンの創りし理想を運ぶ存在なのです。
そして、プリンセスはプリンスの助けを得て、各エレメントのパワーを体現します。
そういったところから、トートタロットは、どちらかというと、ケテル(1番目のセフィラ)からマルクト(10番目のセフィラ)に向かっての下降の物語が強く彷彿されるなあ、と、ウェイトとの比較で感じました。
もちろん、人が俗世的なしがらみを超えて神になる、というマルクトからケテルに向かって登っていく物語も、スピリチュアリティの向上の観点では、理にかなうものです。
ただ、トートタロットは、自身の内なるヌイト(ケテルの上にある天空の神)、つまり自身の神性を法として、自己実現(物質次元での現実化)をしていくことを明確に目的にしているので、初めに神ありき、なんですね。
これは、天動説と地動説の違いのようなもので、結局同じことを言ってるんだけど、どちらの観点から相対的に見るか、という話だと思います。
と、こんな感じで非常に興味深いお話になりました。
※上のものは、本に書いてあることと、私たちの個人的な見解が混ざったものであることはご了承ください。
私自身も、ウェイト版には相当お世話になったので、また機会があったら触れてみたいと思います
ではまた