
「落花生」
脚本・演出 勝山修平(マジック)
出演
赤松英実
北田結子
池山ユラリ(マジック)

時は1900年代前半。無声映画の傍らで、台詞、補足、人によってはその内容さえ変更し喋くる職業、活動弁士の物語。
ほぼ男性が占める弁士の中で孤軍奮闘する女性弁士、黄色は千載一遇の仕事の機会に恵まれ、押し掛け弟子の八衢(やちまた)とともに撮影所へと向かうも、撮影の見学を拒まれ、面会も拒まれ、挙げ句の果てにはその理由も聞けぬ始末。果たしてその映画とはどのような内容なのか。見学も面会も叶わぬ理由とは如何に。
以前彗星マジックの「落花生」を観劇していまして、どうしてもそちらと比較してしまう。
米山真理演じる弁士の黄色、チャキチャキの江戸ッ子って感じで、こんな人がいたら付き合うのは大変だけど楽しいのだろうと、どこまでも強調された人物像で空想の中の人という印象。
一方、赤松英実演じる黄色は現実化されておりリアル。
凄く上手いのです。
どちらが良いのかは好みだと思うのですが、私は前者が好きです。
歌もそうなんです。凄く上手い、澄んだ声で歌う歌手の歌よりも個性的な声で歌われる歌の方が好きなんです。そして刺さるんです。
八衢の北田結子さん、凄く手話が上手いって思った実際はそうなのかは分からない、手話が詳しいわけではないので。
が、それまでの演技から手話の演技に入った瞬間に生き生きとした人物像に変わった。そのような意図を持った演技であったなら見事だった。
ただ最後の力強さが足りないように感じた。
初めて弁士として立った時に、確かに彼女の八衢に頑張りは見えた。ただフィルムが回る音以外は無音になりパントマイムでの演技。
前回の八衢役益田杏花の確かに、話の中の観客席からは、拍手や声援など盛り上がる観客席が見えたのだが。
「ひみつのベンチ」
脚本・演出 吉田佳(コントユニットサバ缶)
出演
和柯
西村こころ
井路端健一
