出版社:文藝春秋 (2015/11/10)
発売日:2015/11/10
文庫:388ページ
ISBN-13:978-4167904852
国家権力すら及ばぬ治外法権の地である〈途鎖国〉。
密入国に成功した実邦だが、かつての実邦の婚約者で
入国管理官として強権を揮う葛城や、途鎖での同級生だったが
何かを隠している黒塚と再会する。
さらに実邦の指導者だった屋島風塵、葛城の旧友で
快楽殺人者となった青柳淳一など、関係者がいっせいに
闇月の山を目指しだす。
山の奥にひそむ導師の神山倖秀――実邦の元夫であり、
葛城、青柳とともに幼少期を過ごした殺人者――と、
途鎖の山奥に隠された〈宝〉をめぐって、彼らの闘いが始まる。
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下巻も青子さんのレビューをリンクします。
かつて在色者の子供たちを集めて実験がなされた。
実邦(ミクニ)たちは、屋島風塵の下で教えを受け、
一部は、神山に連れられ山での生活を始めた。
その後、山に入った子供たちや神山に異常が発生。
更に土砂崩れにより集落は崩壊。
生きて山から下りてきた葛城と青柳と神山の息子。
在色者と呼ばれる者たちは、イロという特殊能力を持ち、
その能力は、強弱を含めて人それぞれだ。
中には、安定させるための手術を受けたものも・・・
そんなこんなで、主要キャラたちは独自に山へ入り、
偶然鉢合わせしたりしながら、ソクの居るフチを目指します。
ソクがいるはずの湖の向こう側の建物の中で見たものは?
水晶筋とは?ホトケとは?地下から出てくるものとは?
色々と謎を残しますが、いわゆる得体のしれないものが
大昔から世界には点在していて、人を呼び寄せ取り込み
静かに生き続け成長している?
よくある読者におまかせぇ~ってやつでしたね(;^_^A
この話なら、これでいいのかなぁ~と・・・
まぁ~恩田さんだから、これはこれでOKって感じです(^◇^;)
ただ、実邦と葛城の行動が驚愕でした(〇o〇;)
スピンオフを読み始めたところなので、感想は後日。
読書φ(..)メモメモ
山全体にぎっしりと生き物の匂いが詰まっているべき季節。
なのに静寂。沈黙あるいは虚無だろうか。
その癖、不穏な空気だけは濃厚になっている。
葛城と青柳が、湖の対岸の景色みて連想した
アルノルト・ベックリン作「死の島」
中野 京子さんの「怖い絵 泣く女篇」では
ラフマニノフが、この絵を見て交響曲を作っていたと紹介。
絵画の及ぼす影響ってすごいです。
