発売日:2015/8/12
文 庫:192ページ
ISBN-13:978-4062931632
かわら版屋の記者・雀、今度の取材は西の魔都・大浪花。
初めての長旅に心躍らせる雀と桜丸は、鬼火の旦那の手引きで、
大浪花ただ一人の人間・修繕屋と会うことに。
彼は雀をもとの世界に帰す力すらもつという。
そのころ大浪花城には、雷と大波を呼ぶ神獣「雷馬」が
街を襲うという報せが舞い込んだ。
食い倒れの街でたらふく飯を食べ、芝居に驚き、
旅を満喫する雀の運命やいかに。
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シリーズ第5弾。
二百十日過ぎゆきて
乾風けちらす春疾風
雷馬襲来
雀、大浪花に行く
食い倒れて候
水を飲みて源を知る
風巻立ち、船は走る
雷と大波を呼ぶ神獣「雷馬」が大浪速の街を襲うらしい。
かわら版屋の雀は、大難関である大首の旦那を説き伏せ
取材と称して桜丸と一緒にいざ大浪速へ。
そこで大浪花ただ一人の人間・修繕屋と会うことに。
一方、大江戸三座筆頭の蘭秋と藤十郎が大浪速から大江戸に
来ることになった出会いが語られた。縁だねぇ~
修繕屋と会った雀と桜丸は、鬼火の旦那との話を聞き
同じ型の二人が出会うのは奇跡的としても
奇跡の意味を知ることができるのは本人だけらしい。
そんな話をしながら修繕屋の家でたこ焼きパーティー
そして大浪速で食い倒れぇ。
肝心の雷馬の話は、ちょっとだけでした(^◇^;)
今度は修繕屋さんが大江戸に遊びに行くらしいですよ。
大浪速の食い倒れ・・・やってみたいなぁ~
読書メモφ(・ェ・o)メモメモ
この世界で「食べること」は、素晴らしい事だった。
「食べること」は、「幸せなこと」なのだと気付かされた。
そっくりな奴が三人いる。それは姿形が似ている奴とは
違って(似ている場合もあるが)属性が同じもの、存在としての
型が同じもの。
環境も生態系も全く違う次元で、生命体としての生き方も
遺伝子も違うにもかかわらず、同じ型の奴がいる。
それぞれの次元で、それぞれに適応して生きている。
雀のいた世界にも鬼火の旦那と同じ型の奴がいた。
それが修繕屋で、大浪速によく来る、大浪速ただ一人の人間。
偶然の重なり合いに、何か意味を見出したがるのは、
人間の悪い癖。
偶然が重なるのは、単なる偶然に過ぎない。
それが何かの縁をはらんでいたとしても、それだけ。
それが誰かの運命を左右するぅ~とかいうのは
アニメの見過ぎ(^◇^;)
大浪速は湿気が高いから、黴がよう生える。だから
毛羽毛現がよう出る。大江戸の何倍も出る。
毛羽毛現(けうけげん):家の周囲や床下の湿った場所に棲む