黒仏 警視庁異能処理班ミカヅチ/内藤 了 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2024/4/12
文 庫:240ページ
ISBN-13:978-4065350508


東京銀座白昼に無差別殺傷あり。
男は被害者の耳を食していた。

警視庁の秘された部署・異能処理班に、レベル4の
「移動する怪異」が持ち込まれる。
霊視の青年・安田怜は犯人が所有していた石仏を追うが、
警官による上司射殺事件が起こり――。

地霊により怪異が活発化を見せ、怜は自らの能力を自覚する。
ミカヅチ班もまた変わらずにはいられない。
警察×怪異ミステリー第五弾!
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警視庁異能処理班ミカヅチ シリーズ第5弾

銀座のど真ん中で白昼に無差別殺傷事件があり、たまたま
赤バッヂが目撃。ミカヅチ班に報告に来た。
犯人は執拗に被害者の耳を狙い、切り落とした耳を噛んでいた。
その肩には黒い奇妙なものが乗っていたという。

その直後に発生した人死にの事件でレベル4確定。
一斉に捜査に乗り出すミカヅチ班。
発見した異物は、赤バッヂがミカヅチ班に持ち込んだ途端、
「扉」の文字が活発に動き出し、ミリミリと音をさせて・・・

間一髪で異物を収めた箱ごと一切の不浄を受け付けない
純白の狩衣で包んで事なきを得た。

赤バッヂと怜は、異物の正体を求めて聞き込みに東北へ、、
土門は京都へ向かい、残りが居残り組となったのだが・・・


いやぁ~今回は色んな意味で焦りまくりでした。
怜の境界を移動する能力もぶっつけ本番で成功。
扉の内側が恐ろしいけど見たい。

今回の読書メモ φ(・ェ・o)メモメモ

銀座のど真ん中に住所のない土地がある。
生き物に名前が無いのと同じだから、存在が宙ぶらりんになる。
川を埋め立てた事で区の境界線がわからなくなって
無住所になっている場所。

銀座のど真ん中で妙な事件が起きれば、バカが集まって来て
オカルト話を結び付け、更に怪異を呼ぶかもしれない


野次馬どもはスマホを掲げて悲劇の跡を撮影し、ヒドイ、
怖い、かわいそう、と、言葉を添えて他人にさらす。

被害者のショックを慮る事もなく異常事態に酔いしれる。
その心根の卑しさ
に比べたら、怪異など可愛いものだと思う。

赤バッヂの妹:真理明は、怜をクルクルパーマの白い天使
といい、怜が触れた箇所の痛みが引き眠れると。
手当ての語源は、患部に手を当てることから来ている。

首都東京では怪異も新陳代謝するのだろうか?
昔の障りと今の障り、昔の人が抱えた怨みと現代人の怨みでは
生まれる怪異も違ってくるのか。怪異はなぜ生まれ、何を
したくて存在するのか。

人は口から命を頂き、命に変える生き物だから。

人の悪意が怪異の思惑と絡み合い、作用して、世界に
影響を与えている。

「ありゃ恐ろす『もっこ』でゃ」※あれは恐ろしいもっこだ」
「オバケのことだ。黒仏と呼んでらぁが、仏でねえじゃ」
  久しぶりに見た。
  東北では、オバケのことをもっこという
  子守歌にもなってる。中学の音楽の試験で歌った。

「たいしたサニワもってらがぁか」
 怜に対して、強い霊感を持っていると言われた。

普通のエビスさんじゃなく、おっかねえほうの
エビスさんだから近づくな。

平安時代、『裏』と呼ばれた呪術のひとつに黒蛭子があった。
事代主神のエビスではなく、水蛭子
伊邪那岐と伊邪那美が国生みの折りで手順を間違え
『よくない』として流された謎の神。
黒蛭子の力は隠蔽と囁きで、頼めば敵を陥れるのも
悪事の隠蔽も自在
と言われた呪物。

黒仏は見ちゃなんね。見れば向こうもこっちバみるケ、
目ぇが光れば逃げられねぇど
正式名称を囁き蛭子という。