わが家は幽世の貸本屋さん―あやかしの娘と祓い屋の少年―/忍丸 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2019/6/22
文 庫:288ページ
ISBN-13:978-4896378917

現世と幽世(かくりよ)の狭間を生きる人間の娘と、
幾多の妖怪たちが織りなす『あったかい幻想郷の物語』
現世とは別にある、あやかしが跋扈する
もう1つの世界〈幽世〉。

そこに幼い頃に迷い込んでしまった夏織は、幽世で
貸本屋を営む変わり者のあやかし・東雲に拾われ、
人の身でありながら、あやかし達と暮らしている。
そんな夏織は、ある日、行き倒れていた少年・水明と出会う。
現世で祓い屋を生業としているという彼の目的は
「あやかし捜し」。

あやかしに仇なす存在とはいえ、困っている人を
放っておけない夏織は、ある事情で力を失ってしまった
彼に手を貸すことにするのだが――。
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初めましての作家さん。
またシリーズ物に手を出してしまった(;^_^A
しかも、なろう系・・・
ところどころ、文章の繋げ方が(; ̄ー ̄)...ン?と思うのは
やはり「なろう系」だからってことでしょう。
でも素直に続きが読みたいって思ったので、よしとします。

幼い頃に幽世に迷い込んだ夏織は、貸本屋を営む
東雲に拾われ育てられた。
ある日、幽世で倒れていた祓い屋の水明と出会い、
探しものを手伝うことになったのだが・・・

最初はメインキャラの説明。
あやかしたちは時々、夏織のことを稀人という。

稀人とは、外部:現世から来た人間を指すこともあるが
閉鎖的な幽世に新しい風を吹き込んだ人間の事を言う。

幼い頃は、ものすごい泣き虫だった夏織だが、
そのうち「あ~そ~ぼ!」という一言が、幽世で
恐れられた時期があった。
掴まったが最後、延々と遊びに付き合わされる。
みんな幼子の扱いに慣れていなくて、てんやわんや。

そんなあやかし達も、夏織を待ちわびるようになり
幽世の空気までもがソワソワと落ち着かなくなり、
そうやって、育まれてきた夏織。

そこに降ってわいたように迷い込んできたのが
祓い屋を生業にしている水明。
図らずも手を貸すことになった夏織だが・・・

幽世のあやかし達との温かく切ない出来事と
水明の手伝いが進む中、事件が起こる。

貸本屋を営む夏織の家には、かなり古い希少本が多い。
その中の「画図百鬼夜行」の前編:陽に描かれている
絡新婦(じょろうぐも)が、付喪神となり
自分を本物と思い込んで抜け出した・・・
更に、水明が探しているあやかしが襲われた?
 

また、何の前触れもなく襲ってくる夏織の記憶。
なんとなく想像できるけど、そのうち明かされることを
期待します。

本作の読書メモ・・・¢(ーー;メモシトク・・・

ダイダラボッチの体は、不思議なつくりをしているそうだ。
その存在は、視える者には恐ろしい存在感を持って
そこに在るし、視えない者にとってはないも同然。
体は、ダイダラボッチの意図しないものはすり抜け、
触れたいと思うものにしか影響を及ぼさない。

富士山は、枕代わりにダイダラボッチが作ったらしい。

「あやかしはね、想いを繋ぐの。
 前の記憶、全部覚えているわけじゃないけど・・・
 大切な事は忘れないよ」

人間の欲は底なしだ。自分のためになら、小さな子に
躾という名の責め苦を与えるのを何とも思わない。

付喪神・・・室町時代に描かれた「付喪神絵巻」には、
陰陽雑記云 器物百年を経て化して精霊を得てより
人の心を誑す これを付喪神と号すといへり」とある。

犬神の作り方・・・
内藤 了氏のよろず建物因縁帳シリーズの
犬神の杜でも紹介されていたけど、色々あるらしい。

 

数冊まとめて購入したものの、2巻が手に入ってないので
同じ作家さんの別の作品を読むことにします。