赤い月の香り/千早 茜 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2023/4/26
単行本:224ページ
ISBN-13:978-4087718324

天才調香師は、人の欲望を「香り」に変える――。
『透明な夜の香り』続編!

「君からはいつも強い怒りの匂いがした」
カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として
来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと
勧誘される。
朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では
依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す
仕事をしていた。
朔のもとには、香りにまつわるさまざまな執着を持った
依頼人が訪れる。
その欲望に向き合ううちに、やがて朔が満を
仕事に誘った本当の理由が分かり……。
香りを文学へと昇華させた、第6回渡辺淳一文学賞受賞作
『透明な夜の香り』に続く、ドラマチックな長編小説。
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『透明な夜の香り』の続編。

 

前作とは感情的に真逆の印象を受ける本作


真逆なのは、新しくバイトに入った男性の感情。
洋館のシンとした空気の中に、熱を内包した器が
入って来て、与えられる香りでコーティングしても
弾かれてしまう・・・

「同じ場所にいても同じものを感じるわけではない」
確かにそうだ。同じ場所でも記憶に残るニオイは
人それぞれ違うものだから。

香りを纏っても、他人と同じ香りにはならない。
香水を扱っている人ならわかるんだろうけど
好きな人と同じ香りを身につけたとしても
その人と同じ香りにはならない
悲しいけれど、しょうがない。

他人の嘘やら策略やらのニオイがわかるとしても
満が一香に接触しようとした時や、接触が
わかった時、朔はどんなニオイを放ったんだろう?
自分の放つニオイにも敏感なのかなぁ?
自己嫌悪に陥ったりするのかなぁ~・・・
と、気になってみた(^◇^;)

朔の行動から、何が大切かっていうのはわかる。
まぁ~前作を読んだら、わかるんだけどね。
二人の距離を守れる二人だから、続いてほしいけど
やはり朔は、もしもの時の準備も怠らない。

そういえば、考えもしなかった。
そういう不安が、いいエッセンスになっている。

朔が満をバイトとして雇った本当の理由もわかる。
そういうことだったんだ・・・と驚きながらも
朔なら・・・やるよねってのも思った。
何をするにも淡々と行動するのがいい。

新城の胡散臭くて、直球な物言いやら行動とか
源さんの健全な頑固おやじ的なところもいい。
っていうか、源さん、よかったね♪
満も色んな意味でよかったねぇ

静かでシットリとした空気感は大好きです。
落ち着いた時間が過ごせました。

そういえば、石榴は人間の味がすると昔の漫画にあった。
人間がこんなに旨かったら、大変だと思ったことがある。
それが高校生やってた時で、初めて柘榴を食べたのも
高校生の時だった。
柘榴の実は知っていたけど、花を知らなかった。
結構近所にも普通にあった(^◇^;)
濃いオレンジ色のきれいな花が咲くのよねぇ


色々と思い出しました。

今回の読書メモ
嗅覚の記憶は永遠ですから・・・
 確かに未だに引っかかる香りはある
 本当に極たまにしか感じない香りだけど
 フワっと香るだけで懐かしいような感じが甦る

人は見たいものを見て、信じたいものを信じます

月が満ちる晩は騒がしい。
信じるか信じないかは君次第だけど

君の感じている世界を誰かにそっくり体験させることは
できないだろう。誰もがそれぞれの世界に生きている

ローズ・ド・メ ダマスクローズと並ぶ香料用に適した薔薇

朔 しんと硬質な、人とは違う材質でできているような声

アノスミア 嗅覚脱失
ハイポスミア 嗅覚減退

匂いには耐性ができる 嗅覚順応
 あぁ~キッツイ臭いを振りまいてる人ってこれか?

大葉は香りが強いものじゃないと抗菌作用がない
刺身に添えられている最近の大葉は、効果もなんもない
お飾りみたいなもの

朔さんは、やっぱ、嬢ちゃんじゃなきゃ駄目なんだろうな