MASK 東京駅おもてうら交番・堀北恵平/内藤了 | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

 

発売日:2019/2/23
文 庫:320ページ
ISBN-13:978-4041077849

東京駅のコインロッカーで、箱詰めになった少年の遺体が
発見される。
遺体は全裸で、不気味な面を着けていた――
東京駅おもて交番で研修中の堀北恵平は、女性っぽくない
名前を気にする新人警察官。
先輩刑事に協力して事件を捜査することになった彼女は、
古びた交番に迷い込み、過去のある猟奇殺人について聞く。
その顛末を知った恵平は、犯人のおぞましい目的に気づく! 
新ヒロインの警察小説、開幕!
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東京駅おもてうら交番・堀北恵平シリーズ

猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子シリーズが面白かったので
別の作品も読み漁っているのですが、このシリーズは
タイトルの主人公の名前が、男だと思ってしまい
手を出さなかったんだけど、違ってましたぁ(〇o〇;)

「男みたいな名前を笑われ続けて二十二年
「恵む」に「平」と書いて けっぺいと読みます」

そうなんです。メインキャラは愛すべきヒロインでした。

恵平は、東京駅おもて交番で研修中の警察官の卵
長野から出て来て、地理に疎い恵平に東京駅はキツイ。
隙間フェチなので、歩き回ってはメモを取る。

わかるなぁ~東京駅は外も中も方向音痴には鬼門です。

交番のおまわりさんも、やることが多すぎて大変で
そんな時、新人の恵平に、これまた新人刑事の平野から
応援要請が!彼も特殊な名前の持ち主です。

向かった先で見たものは、東京駅のコインロッカーで
箱詰めされ不気味な面を着けた全裸の少年の遺体・・・

タイトルのMASKは、この面のことですねぇ・・・

そして、地下通路で拾った落とし物を届けようと
偶然にも辿り着いた時代錯誤な古びた交番。
柏村という警官に美味しいほうじ茶をいれてもらう。

交番の存在を平野は知らなかったのだが、平野と一緒に
その交番に辿り着き、過去に起きた猟奇事件の話を
聞くことになる。

柏村から聞いた話と、現在起きている猟奇事件
過去の犯人の供述。
共通項の多い行方不明の少年
そこから見えて来るもの・・・

恵平が出会う登場人物も魅力的で
東京駅前で露店を持つのを許された、靴磨き歴70年の
ベテランであるペイさん。
そして番号を割り振られた路上生活者の中のメリーさん
焼き鳥居酒屋「ダミちゃん」のダミちゃん
先輩達もいい感じだし、何より恵平ちゃんがいい!
もう、本当に何ていい子なの!!

捜査が進む度に、期待と緊張と不安が募る。
東京駅のコインロッカーに箱詰めの遺体を
遺棄した経路とは・・・


この小説でも、小ネタや蘊蓄がいい感じで入っていて
それが面白い。
今回は面を使用した行事のある神社を調べ、そこから
面を作っている人:仏師を探したりして、恵平が
予想外に面に詳しいことも判明(^◇^;)

面掛け十人衆
1番面が爺(ジイ)、2番面が鬼、三番面が異形、そこから
鼻長(ハナナガ)、火吹男(ヒョットコ)、烏天狗、翁(オキナ)、
福禄寿(フクロクジュ)、阿亀(オカメ)、とりあげ 
なるほどねぇ~

蘊蓄の出し方は、よろず建物因縁帳みたいな感じで
好みです。

どれだけ「もしも」を重ねても被害者は戻らない

事件とファンタジー?が組み合わさったお話。

プロローグが過去の出来事だったりします。

そして、やはりグロ描写が多いです。

苦手な人は気を付けてください。
このシリーズも追いかけますよぉ~