発売日:2019/11/21
文 庫:288ページ
ISBN-13:978-4041087336
「呪いと祝いは、紙一重だよ」
異能を持つ凸凹コンビの民俗学ミステリ第3弾
尚哉の友人・難波の元に不幸の手紙が届いた。
時を同じくして、高槻と尚哉は「図書館のマリエさん」という
聞き慣れない都市伝説を知る。
図書館の蔵書に隠された暗号を解かないと呪われるという
のだが……。――「不幸の手紙と呪いの暗号」
鬼神伝説が残る村に調査に出向いた一行は、不気味な
洞窟で、額に穴のあいた頭蓋骨を見つける。
その直後、高槻に思いがけない受難が……。
尚哉は、佐々倉はどうする!?
「あぁ、この世はなんてたくさんの呪いに
満ちているんだろうね。」――「鬼を祀る家」
高槻と、幼馴染である捜査一課の刑事・佐々倉の
幼い頃を描いた番外編【extra】それはかつての日の話も収録。
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シリーズ第3弾
怪異に対して、大型犬が尻尾をブンブン振るかのように
グイグイ食らいついていく高槻と、常識担当:尚哉の
民俗学ミステリにございます(^◇^;)
「不幸の手紙と呪いの暗号」
尚哉の友人・難波の元に不幸の手紙が届いた。
そこから続く災難に、尚哉は難波を高槻の元に連れて行く。
時を同じくして「図書館のマリエさん」という新しい
都市伝説が出回り始め、女子中学生から相談を受けるが・・・
図書館のマリエさんの真相は切なすぎたぁ~(T□T)
不幸の手紙は・・・まぁ~なんというか・・・
恩田陸さんの「黒と茶の幻想」で、「女の子というのは
幼稚園のガキでも色恋の感情に敏感である」という
セリフを思い出してしまった(;^_^A
「鬼を祀る家」
瑠衣子先輩の紹介で、鬼神伝説が残る村に調査に出向いた一行。
鬼が祀られている洞窟で、額に穴のあいた頭蓋骨を見つける。
佐々倉が通報した直後、思いがけないハプニングが降りかかり
更に、とんでもない奴が飛び入りしてきて??
高槻先生の中には、何かがいる?
夜空のような瞳のその奥から、覗き込んでくるのは何?
そして、途中で真相がわかっちゃったけど、この章は
別の意味で切ない・・・
「【extra】それはかつての日の話」
高槻と佐々倉の出会いと、夏休みに高槻の別荘で起きた
不思議な体験の記憶
高槻は幼いころから、好奇心旺盛で物怖じしない子で
佐々倉は強面の見かけと違って・・・(○ ̄m ̄)
今作は、小野不由美さんのゴーストハントで取り上げた
題材が2つも入っていて、別の意味でテンション上がりました。
まぁ~怖さは小野主上の方が、断然上でしたけど
そもそもシリーズのスタンスが違うので良いのです♪
瑠衣子先輩のペンションでの1シーンは、ヒヤリとしました。
高槻先生の「毒」の部分を見た気がして、ちょっと怖かった。
『呪い』というのはね、誰かがそれを『災い』の理由として
認定することで。初めて生まれるんだよ。
逆に言えば『災い』がなければ『呪い』は成立しないし
誰もそれを『呪い』だと考えなければ、同じく成立しない。
折り紙のやっこさん=形代(かたしろ)
穢れを払う為に、人形に肩代わりさせる。(流し雛とか)
小野主上の「ゴーストハント」では、木札を使ってた
『六部殺し』六部=巡礼の僧
共同体の外からやって来る者=よそ者
よそ者を殺すこと=異人殺し
小野主上の「ゴーストハント」でも題材にされてました。
今回もサクッと楽しめました。
【extra】の話はてっきり、高槻のあの奇妙な体験の話かと
思ってましたけど、違ってました(^◇^;)
さて、続きを読みましょ♪